研究課題/領域番号 |
21K14177
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21040:制御およびシステム工学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
安井 浩太郎 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 助教 (70876739)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 適応的運動知能 / 分散・中枢融合制御 / 自律分散制御 / 自己組織化 / 生物規範型ロボティクス / 局所センサフィードバック / 自律性 / ムカデ / 脳 / 食道下神経節 / ロボット |
研究開始時の研究の概要 |
動物は,無限定な環境変化に対して,きわめて多様な運動戦略を自律的に生み出すことで,タフに動き続ける運動知能を有する.この自律的な状況判断にもとづく適応的な振る舞いの発現原理を理解するためには,脳などが担う上位の中枢制御が,どのように下位の自律分散制御系と相互に連関し合理的な運動戦略を生み出しているのかを捉える必要がある.本研究では,比較的原初的な神経系しか持たないにも関わらず超多様に振る舞うムカデをモデル生物として,そのロコモーションに内在する分散・中枢融合制御の本質を, 行動観察実験・数理モデリング・ロボット実験により構成論的に解き明かす.
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研究成果の概要 |
動物は,多様な運動戦略を自律的に生み出すことで,状況変化に対して適応的に動くことができる.この適応的運動知能に内在する制御構造を抽出するため,本研究では,ムカデに着目し,脳などが担う上位の中枢制御と下位の自律分散制御の連関様式の解明を行動実験および数理モデリングにより試みた.具体的には,不整地歩行において,環境との接触感覚に基づいて頭部運動を制御する上位中枢制御則を下位の歩行制御則と統合することで,環境踏破能力が向上することを示した.また,歩行・走行・遊泳時に示す異なる身体協調パターンの生成に関して,脳や食道下神経節が果たす役割や,それらと下位の分散制御則の統合様式を明らかにした.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は,動物の状況適応的な振る舞いが,脳などの上位中枢からの指令と脊髄や神経節に内在する自律分散的な運動制御システムがどのように相互作用することで生み出されるのかを明らかにするものであり,動物らしい運動知能の設計のありように対して重要な示唆を与える.また,生物規範型ロボットの振る舞いの適応性や自律性を大幅に向上させる点において,工学的にも意義深い.
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