研究課題/領域番号 |
21K14179
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21040:制御およびシステム工学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大西 亘 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (60823888)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 学習制御 / システム同定 / 機械学習 / 精密位置決め制御 / データ駆動最適化 / 繰り返し学習制御 |
研究開始時の研究の概要 |
繰り返し学習制御は,半導体露光装置,プリンタ,産業用ロボットといった,精密制御が必要な応用先において幅広く用いられている。この制御法は,過去の位置決め誤差の情報を用いて繰り返し試行を行うことで,極めて高い位置決め精度を達成することができる。ところが,繰り返し学習制御は,指令値が変わると再度学習をしなおす必要があり,タスク柔軟性に欠ける (汎化性能がない) という課題がある。そこで本研究では,基底関数型繰り返し学習制御の拡張として,非線形基底関数繰り返し学習制御を提案し,指令値変動への汎化性能を持たせることを目的とする。
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研究実績の概要 |
Iterative learning control (ILC)は,半導体露光装置,プリンタ,産業用ロボットといった,精密制御が必要な応用先において幅広く用いられている。この制御法は,一般的に制御対象の過去の試行の位置などの出力を用いて,それに何らかの演算を施し,次回の制御入力を修正している。そしてこの動作を反復させることで,制御対象の出力誤差を収束させていく手法である。 そこで本研究では,システム同定に基づく制御対象の物理をリスペクトした学習制御を構築するべく,State tracking ILC (状態追従型反復学習制御)を提案した。これはオブザーバと組み合わせ,制御対象の位置の出力のみならず,例えば速度や加速度といった状態変数に対して反復学習を行うものである。その副次的な効果として,サンプル点間応答の振動が抑制され,追従誤差が低減した。さらに,この状態変数の推定を非因果的オブザーバを用いて行うことで,時間遅れをなくし,オブザーバ設計における精度と推定速度のトレードオフから脱却することができることを示した。本手法の有効性は,実際の位置決め装置へ実装した実験によっても示された。また,より高次な共振系へと適用した。
研究期間全体を通して,非因果的状態推定,そして非因果的制御入力が,非最小位相特性をもつことが多い位置決め制御系への軌道追従制御問題へ非常に有効であることが明らかになった。機械学習や学習制御の従来研究において,この点が十分に議論されているとは言えない。そのため,研究計画最終年度前年度応募によって,今後は基盤研究(B)において非因果的制御入力に着目し,計画を再構築し,研究を進めていく。
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