研究課題/領域番号 |
21K14181
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21040:制御およびシステム工学関連
|
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
種村 昌也 信州大学, 学術研究院工学系, 助教 (10846885)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | データ駆動制御 / 人間とロボット群の協調制御系 / グラフ構造設計 / 線形時不変性推定 / 安定余裕推定 / 協調制御 / 特徴量推定 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,人と機械の協調制御系を対象とし,データ駆動による人の簡便な特徴量の推定および制御系設計に取り組む.具体的には,受動性指数および安定余裕に注目し,人の受動性および安定余裕をデータに基づき推定する手法を構築する.これらのパラメータが推定できれば,人の詳細モデルが未知の場合においても,閉ループ系の安定化を図ることができる.これにより,人と機械の協調制御のためのデータ駆動制御系設計手法を確立する.
|
研究実績の概要 |
本年度は人間とビークル群の協調制御系において,入出力データに基づく人間の線形時不変性の評価を行った.人間が正常にビークル群を操作できる範囲を線形性で評価することを目的にインパルス応答に基づく方法とコヒーレンス関数に基づく方法の二つの方法で評価した.インパルス応答では複数の実験を実施し評価する必要があるが,コヒーレンス関数ではより少ない実験により線形時不変性を評価できることを示した.また,複数人の被験者に対して実験を行い,低い周波数成分により構成される入力に対しては人間は高い線形性を示すことが確認できた. また,人間とビークル群の協調制御系において,人間にとって制御しやすいと感じるビークル群の情報伝達のグラフ構造を設計する方法を提案した.ビークル群の情報伝達のグラフ構造が異なるとそのダイナミクスは異なり,人間にとっての制御しやすさが異なる.本研究では,入出力データに基づき,人間にとって制御しやすいグラフ構造を設計する方法を提案した.複数人の被験者に対して実験を実施し,提案手法により設計されたビークル群のグラフ構造の良し悪しをアンケートにより評価した. 他にも,入出力データから閉ループ系の安定余裕を推定する方法の提案を行った.これにより,人間とロボット群の協調制御系における安定余裕の推定に応用できると考えられる. また,量子化器を含むフィードバック制御系における量子化器と制御器のデータに基づく同時チューニング方法の提案を行った.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初計画していた人間の線形時不変性推定について,複数人の被験者に対して実験を実施し,人間に対する入力の周波数成分に対する線形性の推定を行った.さらに,人間が制御しやすいと感じるロボット群の情報伝達のグラフ構造を人間の操作データに基づき設計する方法を提案し,複数の被験者に対してその効果を確認することができた.他にも,入出力データに基づく閉ループ系の安定余裕の推定方法を提案した.
|
今後の研究の推進方策 |
人間の線形時不変性の推定結果に基づき,人間の受動性をデータに基づき推定する方法を提案する.また,人間にとって制御しやすいグラフ構造の設計に関して,得られた実験結果の詳細な分析・解析や提案手法により設計されたグラフ構造の特徴の抽出を実施する予定である.
|