研究課題/領域番号 |
21K14185
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21040:制御およびシステム工学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
河野 佑 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 准教授 (40743034)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 非線形システム / Contraction理論 / 制御器設計 / ガウス過程回帰 / モデル低次元化 / 制御器の低次元化 / 制御理論 / 非線形 / Contraction / 機械学習 |
研究開始時の研究の概要 |
非線形システムの制御器設計は非線形偏微分不等式を解くことに帰着され,実用困難なことがある.本研究では,非線形安定論と微分幾何学を融合した最先端のContraction理論に基づいて,この問題の解決を目指す.最先端の理論へと挑むことで,まずは無限個の行列不等式として制御器の設計条件を書き下し,二つの数値解法を提案する.1)線形制御器を対象にすることで,無限個の行列不等式を有限個,すなわち凸計画問題へと帰着する.2)無限個の行列不等式の解をガウス過程回帰によって学習することで,学習型非線形制御器を構築する.双方の制御器の性能をContraction理論によって保証する.
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研究実績の概要 |
非線形システムに対してでも制御系設計を凸計画問題に帰着できるというContraction理論の強みを利活用しつつ非線形制御器を設計するために,ガウス過程回帰を援用した制御器設計手法を構築した.具体的には,状態空間上の各点ごとに得た凸計画問題の解をガウス過程回帰で適切に繋ぐことで,Contraction理論に基づく非線形制御器設計で現れる可積分性問題の回避に成功した.さらに,状態空間上のサンプル点数を増やすことで,安定性を保証できることを理論的に証明した.また,制御対象のモデルが未知の場合でも,ガウス過程回帰を用いてモデルを学習することで提案手法が適用可能なことも示した.この場合にはガウス過程回帰が学習誤差を確率的に評価できる利点を活かして,制御性能を確率的に保証できることを明らかにした.一蓮の成果をシステム制御分野のトップジャーナルであるAutomaticaから出版した.他方,当初計画していたContraction理論に基づくDCコンバータの制御についても研究の見通しを立てることができた.また,単調性に基づく制御器設計についても引き続き検討し,大規模ネットワークを安定化するための分散制御条件の導出に取り組んだ.このアイデアを発展させて,ネットワークの構成要素・結合方法が未知な場合における適応分散制御則の設計を進めている.加えて,複数の海外研究者との議論を出発点とし,設計した安定化制御器から安定化制御器の集合の特徴付けや,時間遅れシステムの安定化などにも研究の方向性を広げることができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ガウス過程回帰を援用した制御器設計と電力システム(DCコンバータ)の制御について順調に研究を進めることができた.また上記のように,研究の方向性を広げることができた.
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今後の研究の推進方策 |
見通したが立ったDCコンバータ単体の制御方策を拡張して,これらが結合した電力ネットワークの分散制御に取り組む.また,大規模ネットワークの分散制御,安定化制御器の集合の特徴付け,時間遅れシステムの安定化などについても引き続き検討を進める.
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