研究課題
若手研究
本研究は、超小型衛星による次世代の高速衛星通信の実現に向け、小型・軽量、そして姿勢制御不要な全方位通信が可能な球型フェーズドアレイ無線機を、折り畳み可能な多面体をフレキシブル基板で構成する独自のアプローチによって実現する。本研究では、アンテナ面積および姿勢制御の両方の課題を同時に解決するため、平面に展開するのではなく、折り畳まれた多面体を立体的に球面に展開する。多面体各面にアンテナ素子を搭載し、球型フェーズドアレイ無線機を実現する。球面座標系においてθ、φともにこれまで±60°程度の指向性制御範囲のものが、本研究によりθ、φともに±180°全方位への指向性制御を可能とする。
本研究では、超小型衛星による次世代の高速衛星通信の実現に向け、小型・軽量、そして姿勢制御不要な全方位通信が可能な球型フェーズドアレイ無線機を、折り畳み可能な多面体をフレキシブル基板で構成する独自のアプローチによって実現してきた。これまで、小さく畳み、平面に大きく展開する構造が活発に研究されてきたが、アンテナを所望の方向に向ける姿勢制御機構が超小型衛星搭載への課題となっていた。本研究では、アンテナ面積および姿勢制御の両方の課題を同時に解決するため、平面に展開するのではなく、折り畳まれた多面体を立体的に球面に展開する構成をとり、必要となる技術について試作評価を行い有効性を確認した。
本研究の球面展開型フェーズドアレイは、SpaceX社のような数百kg級衛星の非展開型フェーズドアレイや、現在研究開発段階にある平面展開型フェーズドアレイと比べても、アンテナ指向性を全方位に持つことで姿勢制御を不要にし、さらに多面体構成の展開構造によってコンパクトな収納を可能にすることで、一桁以上の軽量化を実現できる。飛躍的な打ち上げコストの低下により、通信衛星打ち上げへの参入障壁が下がり、あらゆる場所・時・人・モノがつながる世界の到来を加速する。
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IEEE Access
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