研究課題/領域番号 |
21K14216
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21060:電子デバイスおよび電子機器関連
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研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
森 貴之 金沢工業大学, 工学部, 講師 (70888031)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ニューロモルフィック / ニューロン回路 / スパイキングニューラルネットワーク / SOI MOSFET / steep slope transistor |
研究開始時の研究の概要 |
エッジコンピューティングのための極低消費電力人工知能システムを実現するニューロモルフィックチップの研究開発が行われており、ニューロン発火現象を再現するニューロン回路の性能改善が重要になっている。本研究では低消費電力かつ大きなファンイン/ファンアウト数を持つニューロン回路の開発を行う。新規構造デバイスのPN-body tied SOI-FETを用いることで、小さい負荷容量でも大きな出力を得ることができるニューロン回路を作製し、目的の達成を目指す。ニューロン回路のファンイン/ファンアウト数を増やすことができれば、より集積度の高いニューロモルフィックチップの開発につながる。
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研究実績の概要 |
2023年度は新規デバイスを用いたニューロン回路開発に向けて、前年度に引き続き新規構造デバイスである"PN-body tied SOI-FET"の実測評価、加えて"gate-controlled carrier-injection SOI-Tr"を提案し、その評価を行った。 "PN-body tied SOI-FET"は入力端子Source、Drain、Gate、Body(+Substrate)と、内部にサイリスタ構造を持つデバイスである。フローティングボディ効果によって入力された信号を電荷としてデバイス内(Gate下部)に蓄積させることができ、加えてサイリスタ構造によって引き起こされる正のフィードバックを用いることでニューロン回路に必要なスパイク信号を生成することができる。 "gate-controlled carrier-injection SOI-Tr"は"PN-body tied SOI-FET"をベースに発展させたデバイスで、Gate端子の位置を変更してBody部に配置し、キャリアの注入をGateでコントロールすることを目的としている。 "PN-body tied SOI-FET"の評価では、Body端子へ外部から抵抗素子を接続し電圧を印加することで、スパイク信号を生成するニューロン動作が行えることを確認した。抵抗値を変えることでスパイク周波数は変化し、これは外部抵抗の値の変化をスパイク周波数へ変換するエンコーダの機能に相当する。 "gate-controlled carrier-injection SOI-Tr"の評価では、Body端子にパルス信号を入れた際にニューロンモデルの一つであるLeaky Integrate and Fire動作が行えることを確認した。また、信号の増幅率についても検討し、のファンイン/ファンアウト増大に関する知見を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
デバイス評価に関しては新しく"gate-controlled carrier-injection SOI-Tr"を提案することができ、計画以上に進展したと考える。ただし、回路に関しては評価の遅れが出ているため上記区分とした。
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今後の研究の推進方策 |
"PN-body tied SOI-FET"及び"gate-controlled carrier-injection SOI-Tr"の評価を進め、ファンイン/ファンアウト増大に向けたデバイスパラメータの最適化を行う。また、ニューロン回路の設計を行ったのでその評価を進める。
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