研究課題/領域番号 |
21K14219
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21060:電子デバイスおよび電子機器関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
岡本 有貴 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 研究員 (40880753)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | MEMSスキャナ / MEMSミラー / 圧電薄膜アクチュエータ / 静電アクチュエータ / 電磁駆動アクチュエータ / LiDAR / 2軸動作 / ToF計測 / MEMSスキャナー / ブレ防止機構 / 静電引力アクチュエータ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、自動車やロボットのような移動体上から計測しても振動によるブレがなく測距できる移動物体用小型LiDARの実現である。また、そのために、ミラー位置の補正が行えるブレ防止機構を搭載したMEMSミラーを実現する。具体的には、XYに動作できるマイクロステージ機構と、スキャニングミラー機構を集積したMEMS素子を実現する。本研究によりブレ対策をLiDAR内部で行うことができ、数cm四方までの小型化が行える。更に、従来つけられなかった箇所でブレ防止が行えるため、高解像度化ができ、障害物の早期検知といった自動運転の安全性能の向上にもつながる。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、自動車やロボットのような移動体上から計測しても振動によるブレがなく測距できる移動物体用小型Detection and Ranging(LiDAR)に用いる、ブレ防止機構搭載MEMSスキャナの開発である。 最終年度では、圧電アクチュエータを用いたMEMSスキャナの小型化を実現した。これは、昨年度実現した、本研究で目標としていたブレ防止機構を搭載するための静電引力XY面内駆動アクチュエータへの集積を考えた場合、1年目に作製した電磁駆動型スキャナ構造の場合は大きすぎ、縮小した構造ではスキャナとして利用するに足る性能が出せないことがわかったためである。そこで、2系統の圧電アクチュエータをミラーの周囲に設け、複数構造間の連成振動を利用した共振型圧電MEMSスキャナ構造を実現した。実現した構造はワイヤボンディング用フレームを含めて3.8mm四方の大きさであり、集積に必要な箇所の大きさはXY面内駆動アクチュエータ内に収まるものである。また、共振周波数27kHzにおいて光学振り角40度を達成し、利用に足る性能を実現した。また、本年度はスキャナの駆動電圧と実際の振り角との位相のズレに着目した研究も行い、駆動電圧を補正することで位相を補償し、同期できることがわかった。これにより、今後さらなるレーザースキャンの安定化をできることが期待できる。 以上、研究期間全体を通しMEMSスキャナ構造の実現、XY面内駆動アクチュエータの実現とスキャナ構造の集積、MEMSスキャナの高性能化と小型化を達成し、計画通りに研究を行うことができた。
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