研究課題/領域番号 |
21K14221
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21060:電子デバイスおよび電子機器関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人情報通信研究機構 |
研究代表者 |
鎌田 隼 国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所神戸フロンティア研究センター, 研究員 (90850751)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
中途終了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | プラズモン / 導波路 / Nb2O5 / 光フェーズドアレイ / 電気光学ポリマー / 変調器 / EOポリマー / 光導波路 / プラズモニクス |
研究開始時の研究の概要 |
光フェーズドアレイは、ミラーやレンズなどの物理的駆動部なしで光を走査できるため高速性に優れている一方、偏向角が狭いという問題点がある。光フェーズドアレイは、アンテナピッチが狭いほど偏向角を広くすることができるため、本研究では、光を微小領域に閉じ込めることができるプラズモニック導波路に着目した。プラズモニック導波路は、従来のシリコン導波路などよりもアンテナピッチを狭くでき、偏向角をこれまでの数十度程度から、90度以上にすることが可能である。本研究では、微細加工プロセスを用いて、偏向角が90度以上の光フェーズドアレイの開発を目的とする。
|
研究実績の概要 |
光フェーズドアレイ(OPA)は光の干渉を利用することで高速なビーム走査が可能であり、LiDARや自由空間光通信、表示デバイス等への応用が期待されている。OPAの偏向角はアンテナ部分の導波路ピッチに依存し、ピッチが狭いほど広偏向角が得られる。しかし、導波路間のクロストークを抑えるようにピッチを設計する必要があり、極端に狭いピッチは現実的ではない。アンテナ部分の長さを500μm、結合長の10%を許容できるとすると、典型的な導波路構造であるポリマー導波路とシリコン導波路を用いた場合の最大偏向角はそれぞれ20度と76度であった。本研究では、広偏向角のために光閉じ込めの強いプラズモン導波路を検討した。プラズモン導波路は、100nm程度の金属ギャップに光を閉じ込めることができるため、導波路間のクロストークの影響が少ない。プラズモン導波路を用いた場合、導波路ピッチ800nmが実現でき、偏向角156度が得られることが示唆された。 本研究では、広偏向角のためにプラズモン導波路を用い、高速・低消費電力駆動のために、電気光学ポリマー変調器を用いる構造を提案した。電気光学ポリマー変調器を評価のために、Mach-Zehnder干渉計を作製し、電圧を印加して変調動作を達成した。この構造はTM偏光が必要である一方で、アンテナ部分の横方向ギャップ型プラズモン導波路はTE偏光が必要である。偏光回転およびモード変換のために、無機材料であるNb2O5を用いた構造を設計した。1stコアがNb2O5、2ndコアが電気光学ポリマー導波路、クラッドがSiO2とするダブルコア導波路構造の偏光回転素子を設計した。数値解析を行い、サイズパラメータを最適化することで、長さ143μmで偏光回転できることを示した。また、Nb2O5導波路とプラズモン導波路の結合器を有限要素法で設計し、結合損失2.78dBの低損失な結合器が得られた。
|