研究課題/領域番号 |
21K14227
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分22010:土木材料、施工および建設マネジメント関連
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研究機関 | 国土技術政策総合研究所 |
研究代表者 |
河村 直哉 国土技術政策総合研究所, 空港研究部, 主任研究官 (70728211)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | フィラービチューメン / 水による劣化 / アスファルト混合物 / 薄片 / マイクロサンプリング / 顕微FT-IR / はく離 / 微細劣化 |
研究開始時の研究の概要 |
水によるアスファルト混合物の劣化は、アスファルト混合物中のアスファルトが骨材から剥がれることの他に、アスファルトとフィラーの混合物であるフィラービチューメンが、乳化することや崩壊し流出することが指摘されている。しかしながら、フィラービチューメンに関するそれらの劣化の存在とアスファルト混合物の性能低下に及ぼす影響は明らかにされていない。そこで本研究では、これまでに分析困難であったフィラービチューメンの水による劣化機構について、アスファルト混合物の薄片を用いた顕微鏡観察と化学構造解析にもとづく微視的観点で解明し、得られた知見をアスファルト混合物の微細劣化度評価法に展開する。
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研究実績の概要 |
本研究は、アスファルト混合物におけるフィラービチューメン(アスファルトバインダーとフィラーの混合物)の水と荷重作用による乳化と崩壊流出の発生と進行過程について,微視的観点で明らかにするとともに,それらの劣化現象がアスファルト混合物の力学性状に及ぼす影響を明らかにすることを目的とするものである。 本研究では、フィラービチューメンの水による劣化に伴う構造変化を特徴づけるために,アスファルト混合物の薄片を作製し、光学顕微鏡によって薄片を観察した。その結果、フィラービチューメンについては色彩に基づく劣化の兆候を観察できることや、フィラービチューメンと骨材界面近傍については、双方の崩壊の有無を観察できることを示した。 また、色彩の変化が劣化の兆候であることを裏付けるために、薄片中のフィラービチューメンのうち、光学顕微鏡視野で観察される100マイクロメートル四方の領域から、フィラービチューメンをサンプリング(マイクロサンプリング)し、顕微FT-IR(透過法)により、その化学構造を分析する手法を提案した。この手法によれば、フィラービチューメンが乳化しているかどうか(水が含まれるかどうか)を定性的に評価できるものと考えられた。 上記の薄片観察と、マイクロサンプリングと化学分析手法を組み合わせることにより、これまでには評価が困難であったフィラービチューメンの水による劣化を評価することができる可能性を示すことができた。
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