研究課題/領域番号 |
21K14229
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分22020:構造工学および地震工学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
干場 大也 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (80847038)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | トポロジー最適化 / 複合構造 / 材料非線形 / 複合ゴム構造 / 動的応答制御 / 最適設計 / 複合材料 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,新たな積層造形技術によって,幾何学的に高い自由度をもって異種材料を組み合わせる複合造形が可能になりつつある.特に,ゴム,樹脂,金属といったエネルギー散逸を生じる非線型材料の造形技術の発展が著しく,これらの材料をうまく組み合わせることで,荷重の大きさや時間変化に応じた耐衝撃性能や,特定の振動外力に対して制振性能を発揮するような複合材料の開発が期待できる.本研究では,粘弾性・粘弾塑性材料を含む複合材料の耐衝撃性・制振性といった動的パフォーマンスの制御を目的として,複合材料内部の個々の材料配置・形状を決定する数値シミュレーションの枠組みを構築する.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,ゴム・樹脂・金属を含む複合材料の耐衝撃性・制振性といった動的応答の制御を目的として,複合材料内部の個々の材料配置・形状を決定する数値シミュレーションの枠組みを構築することである.そのために,既往のトポロジー最適化理論を拡張し,数値計算アルゴリズムの性質を踏まえて,個々の材 料特性および設計問題に適合した手法を提案する. 前年度までの粘弾性材料および動的応答に関する進捗を踏まえ,これを粘弾塑性材料あるいは異種複合材料の最適設計へと進展させるため,本年度は樹脂・金属の有する損傷挙動あるいは塑性変形挙動といった準静的材料特性を主題に定め研究を進行した. トポロジー最適化において密度法と呼ばれる材料表現法では,仮想的な材料構成則を設計変数の関数として与える必要があるが,この構成則を損傷材料と弾塑性材料を組み合わせる形で新たに定式化した.これは有限要素法の解法,解析的感度解析手法,計算コスト等を総合的に考慮し,トポロジー最適化という目的に特化した合理的手法となるように構築したものである.本手法は,これまでの研究成果と基礎的な手法の大部分を共有しており,高い拡張可能性を有している. また,上記に関連して,ひずみの進展あるいは応力の増大に従い軟化挙動を呈する材料を用いる場合,設計関数の非凸性あるいは応力-ひずみ関係の連続性の欠如により最適解の収束計算が不安定化することが知られている.本研究の目的に鑑みると,この問題に対する安定化手法の導入は不可欠であり,その構築に向けた基礎的検討に既に着手しており,現在継続中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の成果として,対象とする材料の主要な非線形材料モデルである損傷・弾塑性構成則に基づきトポロジー最適化手法を構築した.当該手法に対し,感度解析の精度検証や最適解に関する力学的性能検証,最適解の収束性に関する検証を実施した結果,求めるパフォーマンスが得られたことを確認した.また,不連続な応力-ひずみ関係あるいは軟化挙動に対する安定化手法に関する研究も順調に進行している.以上の成果の一部は,国内外の学会発表および国内の査読付き論文にて発表済みである.
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今後の研究の推進方策 |
まずは,昨年度から継続して,材料非線形を考慮したトポロジー最適化の安定解法の構築に取り組む.基本方針は,応力-ひずみ関係において弾性域から塑性域(あるいは塑性流れに類する非弾性の変形域)への滑らかな遷移を表すことができる下負荷面モデルを導入することにある.この特殊な材料構成則の数学的な性質を考慮して材料パラメータの内挿法および感度解析を定式化し,最適化問題とその解法を構築する.また,最適解の力学的性質や力学変数の空間連続性,収束性,材料パラメータの設定による結果への影響について検証する. 最後に,本研究テーマの総括として,これまで構築した手法を複合させ,全く異なる力学的特性を持つ材料からなる複合材料を想定し,静的・動的問題を対象とした最適設計計算を実施する.
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