研究課題/領域番号 |
21K14238
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分22030:地盤工学関連
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
富樫 陽太 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (90753294)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | トンネル / 切羽土圧 / シールド / 極限釣合い / 土圧理論 / 土圧 / 切羽 / 安定 / アーチ効果 / アーチ作用 / 切羽安定 / 極限釣り合い法 / 切羽土圧理論 / 切羽安定性理論 / 緩み土圧 |
研究開始時の研究の概要 |
トンネル掘削での切羽解放に伴う地山の挙動は非常に複雑で,未だ定説はない。地山挙動を複雑にする有力な原因は,切羽解放に伴って徐々にすべり線が前方に成長・進行していく崩壊の進行性である。崩壊の進行性はすべり線の傾きの減少とすべり領域の拡大の二つで特徴付けられる。研究代表者らは既にこの両方を考慮できる切羽前方土圧の推定理論を創案・構築している。本研究では,切羽解放を模擬できるトンネル引抜き実験を行い,崩壊の進行性を表すすべり線の傾きの減少とすべり領域の拡大を実験的に取得する。得られた崩壊の進行性の特徴を提案する土圧理論に組み込み,従来方法を飛躍的に改善可能な全く新しい切羽安定性理論の完成を目指す。
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研究成果の概要 |
研究代表者らは,曲線状のすべり線を用い緩み土圧を考慮した切羽土圧の推定理論を提案している。本研究の実施により以下のことがわかった。 1. 提案理論により,摩擦性材料としての地山の性質を考慮した上で切羽土圧が適切に評価できることを確認した。滑り線の傾斜はあまり土圧特性に影響を与えないが,崩壊領域が大きい場合には切羽土圧が大きくなることを示した。 2. トンネル掘削に伴う応力解放を模擬できるトンネル引抜き実験を行い,LiDARやPIV解析を用いて崩壊領域形状の詳細な取得を行った結果,土被りなどによる摩擦抵抗の増加に伴って崩壊領域が局所的に生じることがわかった。この現象を記述可能な微分方程式も構築した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
切羽土圧の推定は非常に複雑な問題であり,トンネル技術が飛躍的に進んだ今日においても極めて重要な技術課題である。現在までで切羽土圧の推定で最も有力な方法は,鉛直なすべり線を想定したSiloの計算より地山の摩擦抵抗による鉛直土圧を考慮した上で切羽直前のくさびの釣合いを解くことで切羽土圧を得る方法だが,すべり線の形状が現実には直線とは言えない場面が多い。提案理論は未だ改良の余地があるが,既往方法よりも正確に切羽土圧を推定できる可能性を秘めており,建設実務に直結できる社会的意義の大きい成果と考えている。
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