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干出時の地下水位変動による底質性状変化が干潟の地形変化に与える影響の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K14254
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分22040:水工学関連
研究機関東海大学 (2022-2023)
山口大学 (2021)

研究代表者

白水 元  東海大学, 建築都市学部, 特任助教 (60808210)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
キーワードtidal flat / groundwater / morphology / field survey / simulation model
研究開始時の研究の概要

従来の海浜変形予測手法では,地下水挙動や底質性状の変化などのミクロな要素を含めた定式化がなされていない.このため,侵食営力が相対的に弱く干出による地下水位変動を伴う干潟などの浅海域の堆積型地形では,形状変化予測が困難である.本研究では,底質変化メカニズムを考慮する数値モデルの開発を狙い,流況・濁度の計測に加え,新たに開発する底質・地下水・地形の複合モニタリングを定期的に実施する.これにより冠水時の流動特性や河川からの土砂供給といった従来の視座に加え,干出時の底質性状や地下水ポテンシャルの状態までも地形の形成プロセスとして考慮し,そのメカニズムを定式化する.

研究実績の概要

干潟面の微地形の変遷をとらえるため椹野川河口南潟の2017年度から2023年度の空撮写真データについて写真測量ソフトウェアを用いて形状復元を実施,地盤高分布データの更新を行った.経年で対象範囲の平均的な地盤高は微増しており,また,中央岸寄りにあり沿岸方向に伸びる堆砂バー状の微地形は,存在位置を大きく変えないが北西方向にピークを移しながら拡大している.
近隣の複数の観測所における気象・波浪・潮位の環境データの解析から微地形の周年変化特性を検討した.出水期でもある夏季に数回観測される15m/sを超える南寄りの風(台風による)が南に開いた湾口に入射する波浪を励起していることが示唆される.夏季期間通しての風向も南西から南東の南寄りの風が観測される割合が多い.一方で冬季においては,内湾は静穏であり底質の堆積がみられる.秋季と春季は小雨で出水機会が少なく,春季の南寄りの風があり,全観測期間を通してみられるこの時期のわずかな侵食傾向との関係が示唆された.
現地干潟での地下水変動の時系列分布を得るためのテンシオメータを利用した計測手法を開発することを目的として,砂質干潟である山口県山口市の椹野川河口干潟群の南潟を対象に現地での測定実験を実施した.受感部は地表から20cm深い位置に来るため,約2kPaの値であれば地表は大気圧と等しいことになる.主に砂質で干出を経験する箇所では,干出開始時2.0kPa前後から0.5kPa~1.5kPaの水圧の低下がみられた.したがって,干出後しばらくは表層では負圧を帯びていることになる.最干時刻を迎えて1時間30分後も依然水圧の低下が進行しており,間隙水圧低下のピークは潮位最干より遅れ,先行の室内実験と同様に結果になった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現地観測実験では機器の稼働率を高く維持でき計画した成果を満たすものであった.
一方で,モデルの調整は計画より工数を要求するもので継続して取り組む必要がある.

今後の研究の推進方策

引き続き,FVCOMをベースとする計算モデルによる外力のパラメトリックな検討,および地下水挙動モデルのフィッティングを進め,成果を発表する.

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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