研究課題/領域番号 |
21K14259
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分22050:土木計画学および交通工学関連
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研究機関 | 金沢工業大学 (2023) 宇都宮大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
土橋 喜人 金沢工業大学, 基礎教育部, 教授 (40884127)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 四つのバリア / 交通バリアフリー / 国際比較 / 障害者 / 物理的バリア / 情報のバリア / 制度のバリア / 心のバリア |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、諸外国でも同様の「幾つのバリア」の取り組みをしていることから、その取り組みに関する国際比較を行い、交通バリアフリーの実現のために、バリアの解消のためにどのようなバリアの取り組みが有効なのかを明らかにする。日本で十分に取り組まれていない概念の導入によって、日本の交通バリアフリーに寄与することを目的とする。現時点で新たな枠組みを提案する意義は、従来までと同じようなことを繰り返しても、障害者にとってのバリアを取り除いた共生社会を作り出すことは難しいと考えるためである。
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研究実績の概要 |
本研究では、1年目では日本における四つのバリアの現状に関する基礎情報収集と、対象国のリソースパーソンとのコンタクトおよび協力への合意を得ることに注力をした。 2年目においては、海外の研究者や実務家などからのインタビュー調査およびレポートによる情報提供から各国の現状調査を行なった。英国、フィンランド、インド、タイ、豪州とはウェブ会議システムを用いた調査を行ない、リサーチレポートを入手した。米国のリソースパーソンとは二回のウェブ会議システムによる調査を実施した。またベトナムのリソースパーソンとは現地でインタビュー調査を実施した。他の候補国のリソースパーソンとはコンタクトも取れて調査協力の了解が得られたが、インタビュー調査は実施できなかった。インタビュー調査では、各国の障害者の定義、障害者の現状、「いくつのバリアが存在するか」の問いへの回答、交通バリアフリーに関する課題と対策、についての情報をえた。日本のように明確な「四つのバリア」という形で定義づけている国はないということ、どこの国もそれぞれに課題を抱えていること、などが見えてきた。 3年目においては、時間的な制約と物理的な制約から残る2か国(米国およびベトナム)の調査結果を取りまとめるとともに、これらの調査結果をもとに国内の有識者や障害者団体へのインタビュー調査等によって、日本における4つのバリアの今後の在り方について検討を実施した。その結果として、日本の取り組みの在り方の再検討をする意義については異論がなかったものの、本研究結果がそのまま政策提言等につながることについては、より精緻な調査が必要との見解が多かった。 4年目においては、国際学会での発表とともに、四つのバリアの再考について、各方面での意見を収集し、その妥当性について検討していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナの蔓延のために、海外現地調査ができなかったことがまずある。メールやウェブ会議システムでインタビュー調査等を行なっているリソースパーソンも十分にこちらの依頼に対応しきれなかったことが挙げられる。先方の対応が遅れている理由としては、コロナの蔓延に加え、対面ではなくメール等でのやりとりでは督促が困難であり、研究に対する先方の関心の度合いの違いなども挙げられる。その結果、インタビュー先からのレポートの提出の遅れなどもあり、取り組みが遅れた。 加えて、研究代表者の所属先の変更に伴い、業務の対応の変化、居住地の転居、などもあり、十分に研究に時間を割くことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、8カ国分の情報を取りまとめて、国際会議などでの発表を行なう予定である。そこでの討論や、主に日本の有識者や当事者団体との討論を行い、本研究の方向性をまとめる予定である。
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