研究課題/領域番号 |
21K14265
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分22050:土木計画学および交通工学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
瀬木 俊輔 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (50762382)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 防災 / 建設産業 / 人的資本 / マクロ経済学 / 社会資本 / 動学的最適化 |
研究開始時の研究の概要 |
建設資本は,災害により破壊された社会資本や民間の住宅・建築物を再建することにより,短期的な復旧のみならず,中長期的な復興にも貢献する.しかし,近年に生じた災害の被災地においては,工事現場を担う技能労働者の不足による入札不調などが指摘されている.こうした事態の発生を防ぎ,国土強靭化を実現するためには,建設資本に対して,平時から適切かつ安定した水準の投資が行われる必要がある.本研究は, 国土強靭化というマクロな視点から,建設資本の水準や投資の最適性はどのように定義されるのか,また,建設資本に対して適切な投資がなされるために,長期的な社会資本投資計画はどうあるべきか,を明らかにする.
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研究実績の概要 |
2022年度は,前年度に開発したモデルに変更を加え,社会資本投資の水準を政府が外生的に決定できるようにした.そのうえで,外生的な社会資本投資水準を変更したときの,長期的な経済効果に関する感度分析を行った.分析の結果,社会資本投資水準が最適な水準を下回っている場合には,その水準を最適な水準まで増やすことにより,建設産業に対する投資や,長期的な社会厚生水準を増加させる効果があることがわかった.また,前年度のモデルの分析結果と同様に,社会資本投資の最適な水準は,災害のリスクが大きい国ほど,最適な建設資本の水準は高くなる傾向があることが確認された.以上の結果より,災害リスクを有する国の政府は,建設資本が復興過程において重要な役割を持つこと,および,建設資本に対する投資は将来の社会資本投資水準から影響を受けることを鑑み,将来の社会資本投資の水準を適切に定め,その水準を安定的に推移させるような投資計画にコミットすることが必要であるという政策的示唆が導かれた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
他の研究・教育活動や学内業務・学会運営に時間を割かなければならず,本研究課題に十分な時間を投入することができなかった.そのため,当初の計画では,2022年度までにモデルを多地域に拡張した分析を行う予定であったが,一地域の分析に留まっている.
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今後の研究の推進方策 |
研究計画を変更し,当初研究計画のうち,我が国の状況を統計データから把握したうえで,国土計画に資する政策的知見を提示する部分については,本研究課題の終了後に実施する.2023年度においては,これまでに実施した分析の内容を論文として投稿するとともに,モデルを多地域に拡張し,建設資本の地理的な配置を,平時と災害時においてどのように転換すべきかを分析する.
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