• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

SAR・光学衛星画像と空間情報を併用した浸水災害領域抽出手法の新規開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K14270
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分22050:土木計画学および交通工学関連
研究機関日本大学

研究代表者

園部 雅史  日本大学, 理工学部, 助教 (50715290)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
キーワードリモートセンシング / SAR衛星画像 / 光学衛星画像 / 風水害 / 家屋被害 / 地球観測衛星 / 地理情報システム(GIS)
研究開始時の研究の概要

近年,気候変動に伴う集中豪雨の増加や台風の影響により,浸水災害のリスクが高まっている.精確な浸水域の範囲や家屋被害などの情報の早期把握は,政府・地方自治体等の災害時の意思決定を行う上で極めて重要である.災害発生直後は,被害情報の情報収集が困難な場合があり,広範囲における被害情報の把握手法として衛星リモートセンシング技術が有効である.一方,住宅密集地での浸水域の抽出が困難など,種々の課題がある.このような背景から,本研究では,災害前後に観測されたSAR(合成開口レーダ)衛星画像と光学衛星画像および地理空間情報を活用し,高精度な浸水域の抽出手法と家屋被害調査の危険度判定手法を検討する.

研究実績の概要

令和5年度は,次の2点の研究を継続して実施した.
1. 光学衛星画像,L,C,XバンドSAR画像を利用した浸水域の把握に関する研究
これまでの研究に引き続き,異なるSAR衛星を併用した浸水域の抽出手法について検討を進めた.これまでの災害と同様に令和2年7月豪雨や令和3年8月の大雨などの4つの浸水災害の事例について各種衛星画像を用いて観測条件と観測時の浸水深の被害形態,土地被覆などの地理的条件などを比較し,適用条件について検討を進めている.また,令和6年能登半島地震で発生した津波による浸水被害域に対して,高分解能の光学衛星画像やLバンドSAR衛星のALOS-2衛星画像を用いて上記の解析手法を適用し,浸水域の抽出手法の有効性を把握した.また,公表されている現地情報や詳細な現地調査結果と併せて整理を進めている.GISとの併用においては,街路データをはじめ標高データによる精度向上の取り組みなどを継続して検討を進めており,その効果を確認している.

2. 浸水被害情報や空間情報を用いた家屋被害域におけるコヒーレンス値の適用
浸水被害による家屋被害域とその危険度判定手法の確立を目指し,まずはSARコヒーレンス値や,高分解能の光学衛星画像を用いたテクスチャ解析による判定手法を継続して検討している.こられは能登半島地震の家屋被害域に対して,詳細な現地調査を行った結果と比較することにより,各種解析手法による適用性を整理している.また,津波の到達有無による家屋被害域の特徴について整理しており,これらは令和6年度に論文を投稿予定である.さらには,光学衛星画像によるテクスチャ解析の適用性について10mクラスの分解能のSentinel-2衛星を用いての適用性について地震による被害であるか適用性を把握した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

光学・SAR衛星画像および必要な空間情報の収集を継続的に実施しており,収集した衛星画像に対して高度処理生成画像の作成は完了し,整理している.また,当初予定していた先進光学衛星(ALOS-3)画像の利用は困難であり,本課題では画像データを用いた検討ではなく,センサのスペックを踏まえた利用ケースの検討に留めることにする.
研究成果としては,異なる浸水災害事例を対象にSAR衛星画像を含むデータセットの構築と浸水域の抽出精度について現地調査結果より得られた正解データと照合することにより,適用性について整理している.また,能登半島地震を対象として,各種衛星データを用いた津波浸水域および建物被害域の把握手法について検討を進めている.COVID-19の影響で現地調査結果の収集が遅れた影響で,解析結果の分析が遅れているが,次年度は積極的な成果の公表を実施していく予定である.

今後の研究の推進方策

今後の研究でも,引き続き①SAR衛星と光学衛星画像の画像情報から得られる災害情報の抽出結果とGISデータを活用し,効果的且つ高精度な浸水域の抽出手法の開発②救援活動や復旧計画に資する家屋被害調査の危険度判定手法の開発の2点を目的として研究を行い,その成果を取り纏め.公表する.
(1)高度処理画像のパラメーターについて検討し,評価した結果を整理する
(2)浸水被害のみならず,家屋被害を受けた災害を対象として分析を試みた結果を整理する
(3)最新の分析結果を速報値として取り纏め,学会などに積極的に公表し,国内外から助言やフィードバックを得て,更なる改善とレベルアップを目指す.

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2021

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 中分解能衛星画像を用いたトルコ・シリア地震の建物被害の抽出のための検討2023

    • 著者名/発表者名
      澁谷 昌典,園部 雅史,羽柴 秀樹
    • 学会等名
      土木学会 第78回年次学術講演会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Cバンド画像のコヒーレンス値に着目した令和3年8月豪雨における被覆変化個所抽出のための基礎的検討2021

    • 著者名/発表者名
      園部雅史、染谷亮太、羽柴秀樹
    • 学会等名
      日本リモートセンシング学会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi