研究課題/領域番号 |
21K14284
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分23010:建築構造および材料関連
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研究機関 | 京都大学 (2022-2023) 東北大学 (2021) |
研究代表者 |
郭 佳 京都大学, 農学研究科, 准教授 (50868081)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 復元力 / カルマンフィルタ / 深層学習 / オートエンコーダー / ニューラルネットワーク / 履歴特性 / Kalman filter / Autoencoder / Force identification / Unsupervised learning / Deep learning / Deep neural network / Force reconstruction / Linear multistep method / Data-driven approach / Identify hysteresis / Bayesian estimation / 構造ヘルスモニタリング / 復元力時刻歴推定 |
研究開始時の研究の概要 |
計算機処理能力の向上と地震観測網の拡充に伴い、観測記録を活用した新たな技術の開発が目ざましい.本研究では、計測箇所の限られた地震観測データのみで免震・制振装置の性能変化や損傷をリアルタイムに推定・検知する新たな方法を開発する.この手法は、観測点数が少なくても高い推定精度が得られることと、復元力モデルを予め用意する必要がないことが特徴である.この手法の有効性と推定精度の検証は、計測装置が豊富に設置された既存の建物の観測データと、振動台実験から得られる実験データを用いて行う.
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研究成果の概要 |
本研究では、地震時の局所的な免震・制振装置の非線形履歴挙動を建物内の限られた計測箇所の観測データからリアルタイムに推定する手法の開発を行った。非線形モデルやパラメータを事前に用意せずに、カルマンフィルターに基づく復元力を拡大状態量として推定できることを理論的・実験的に確認した。更に、ニューラルネットワークを用いたデータ駆動型モデルを融合させ、安定性が高い推定手法も構築した。各種の免震・制振構造物の数値例と振動台実験において、提案手法は観測点数が少なくても高い推定精度を発揮することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本においては、地震が災害リスクとして主要な位置を占めており、構造モニタリング技術は地震対策の一環としてさらなる発展が期待できる。現在の構造モニタリングの解析手法は、主に固有振動数、モード形状、減衰比のような建物全体の振動特性の変化を評価する手法が多いが、構造物の非線形性や局所的な損傷状況を把握するのには適していない。本研究では、免震・制振装置の非線形履歴挙動をリアルタイムに推定する方法を確立し、それによって装置の損傷を検知できる可能性を示した。これらの技術は、居住者や建物の施設管理者向けの建物の健全性や被害状況を瞬時に把握する基盤技術となる得るものである。
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