研究課題/領域番号 |
21K14294
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分23010:建築構造および材料関連
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研究機関 | 国立研究開発法人建築研究所 (2022-2023) 東京大学 (2021) |
研究代表者 |
西尾 悠平 国立研究開発法人建築研究所, 防火研究グループ, 主任研究員 (20793334)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 高温特性 / 鉄筋コンクリート / 付着性能 / 中性子イメージング / コンクリート / 水分挙動 / 高温力学特性 / 含水状態 / 中性子ラジオグラフィ |
研究開始時の研究の概要 |
火災を受けた建築物を利用するうえで、建築物の火災後の耐久性を理解することが必要であるが、高温加熱を受けた鉄筋コンクリートの付着性能は未解明な点が多い。本研究は,鉄筋コンクリートの含水状態が加熱による付着劣化に与える影響を明確にし,最終的には受熱後の熱応力によって生じた内部のひび割れと,受熱後の付着強度の関係を明らかにすることを目的とする.受熱後の付着性能への影響要因としてコンクリートの含水状態を考慮し,コンクリートの構成要素の高温時力学特性,コンクリートの内部ひび割れ性状,そして,コンクリート内部の加熱中の水分状態と加熱後の鉄筋コンクリートの付着性能との関係について検討し、上記目的を達成する。
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研究成果の概要 |
鉄筋コンクリート造建築物において,火災中および火災後の性能低下が懸念される。本研究では,コンクリートの含水状態が加熱による鉄筋コンクリートの付着性能の低下に与える影響を明らかとするため,①加熱中のコンクリート内部の水分挙動,および②加熱後の鉄筋コンクリートの付着性能との関係について検討を行った。中性子ラジオグラフィによる測定より,加熱中のコンクリート内部の水分挙動とそれに伴う水蒸気圧形成を把握し,また,付着性能に関して,初期含水率が低い場合に0.002D時の付着応力が低くなり,加熱前のコンクリートの含水率が付着の初期剛性に影響を与える可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
火災後の建築物の耐久性を評価するうえで,付着性能に関しても検討を行う必要がある。高温加熱を受けた鉄筋コンクリートの付着性能の低下メカニズムを明らかにするためには,加熱中のコンクリート内部の水分移動および,それに付随するコンクリートの力学特性の変化など,コンクリート中の含水率が加熱後の付着性能に与える影響を明らかとする必要がある。高温加熱中のコンクリート内部の水分挙動とそれに伴う水蒸気圧の形成,およびコンクリートの含水率が加熱後の鉄筋コンクリートの付着性能に及ぼす影響を明らかとした。これにより、火災後の建築物の再利用を行う上で有用な知見となり,火災後の建物の運用が促進されるものと期待される。
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