研究課題/領域番号 |
21K14301
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分23020:建築環境および建築設備関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高取 伸光 京都大学, 工学研究科, 助教 (70880459)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 多孔質材料 / 乾湿風化 / 塩類風化 / 硫酸ナトリウム / 凝灰岩 / ひずみ / 湿気 / 応力 / 毛細管現象 / 応力ひずみ関係 / 吸放湿履歴 / 内圧 / 数値解析 |
研究開始時の研究の概要 |
建造物や屋外文化財の多くはその内部に多数の空隙を有する多孔質材料である.多孔質材料は乾湿の繰り返しに伴い材料内の圧力が変化し,材料が変形したり破壊されることがあるため,その抑制方法の確立は文化財保存の分野含め幅広い分野で求められている.本目的の達成のためには,多孔質材料中における熱や水分,塩の移動に伴う圧力の変化を定量的に把握することが重要である.本研究ではこの問題の解決のため,乾湿繰り返し時における多孔質材料内部の水分状態と材料の変形挙動を実験により測定し,数値解析によりその再現を試みる.これらの結果より,非平衡熱力学の観点から多孔質材料中の水分状態と材料内に加わる内圧の関係を明らかにする.
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研究成果の概要 |
本研究では吸湿過程における凝灰岩のひずみと水分状態の関係を明らかにするための実験、吸水過程および吸湿過程による硫酸ナトリウムの水和プロセスの違いと材料破壊への影響の違いを明らかにするための実験、塩類風化のメカニズムの現状の課題についての文献調査を行った。得られた主な結論を以下に示す。本実験で用いた凝灰岩のひずみは相対湿度30%以上の領域ではひずみと相対湿度に対しほぼ線形的な関係にあり、ひずみは含水率よりも相対湿度に依存した。また、硫酸ナトリウムによる結晶化圧力は湿潤方法が異なることによる差は小さく、吸湿過程と吸水過程で同程度の変形が生じることを実験により明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
建造物や屋外文化財を構成する多孔質材料は、乾湿の繰り返しに伴い材料内の圧力が変化し、材料が変形したり破壊されることがある。これらの現象は乾湿風化あるいは塩類風化と呼ばれ、その抑制方法の確立は文化財保存の分野含め幅広い分野で求められている。一方で、屋外文化財の乾湿風化および塩類風化のメカニズムについては十分な知見が得られているとは言い難い。本研究成果は屋外文化財の乾湿風化および塩類風化のメカニズムを理解する上で、またこれらの風化現象を抑制する方法を模索する上で重要な成果であると考える。
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