研究課題/領域番号 |
21K14316
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分23030:建築計画および都市計画関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
高橋 彰 大阪大学, サイバーメディアセンター, 特任助教(常勤) (40885464)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 路地 / 密集市街地 / 町家 / 京都 |
研究開始時の研究の概要 |
京都市は2017年11月「京都市京町家の保全及び継承に関する条例」を制定し、残存する約4万軒の京町家を可能な限り保全・継承していく方針を打ち出した。しかし、路地に立地する京町家(長屋)の中には老朽化し、空き家になっているものも多く、狭隘な路地空間は避難経路の確保や延焼の危険性など都市防災上の脆弱性を抱えている。 本研究は京町家条例を契機に、連担京町家が作る固有の歴史的生活共同空間としての路地を密集市街地のコンテキストの中で維持・継承していくための新しい枠組みを提示することを目的とし、これまで個別に議論されてきた京町家の維持・継承と密集市街地の問題に対し横断的な視点から解決を図るものである。
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研究実績の概要 |
京都市は2017年11月「京都市京町家の保全及び継承に関する条例」を制定し、路地奥の長屋を含む残存する約4万軒の京町家を可能な限り保全・継承していくため、解体の届出、保全及び継承に係る協議などを制度化した。しかし、路地に立地する京町家(長屋)の中には、老朽化し、空き家になっているものも多く、狭隘な路地空間は緊急車両の進入、避難経路の確保、延焼の危険性の点などから密集市街地の都市防災上の脆弱性を抱えている。本研究は京都市において町家・長屋が作る固有の歴史的生活共同空間としての路地を密集市街地のコンテキストの中で維持・継承していくための方策を検討する。2021年度は、文献と資料のサーベイを中心に行ない、京都市の路地空間の継承と防災の観点から、関連するまちづくり制度として、密集市街地対策としての防災まちづくりの事例を文献から調査した。防災まちづくり計画が策定された17の事例より、現存する路地の防災に関する空間的課題、住民の意識的課題を整理した。また、防災まちづくりに実際に派遣された専門家へインタビューを実施するとともに現地視察を行った。2022年度は、ケーススタディの地域に関して昭和初期、昭和27年頃の古地図から、当時の路地を抽出し、現在と比較することで現在の路地の成り立ちの調査を実施するとともに、路地を多く残す歴史都市における歩きやすさを街路構造要因と街路景観要因の観点から歩行環境を調査した。歴史的町並みが残る地域を対象に、路地を含めた歴史的町並みや地域の物語の継承を古写真と古地図などから編纂する試みもはじめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
京都市の路地に関する資料収集、制度の課題整理等については順調に進んでいるが、個別の事例調査に関しては、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、計画された調査が遅延している。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は路地を維持する歴史都市における歩きやすさを街路構造から分析するとともに、引き続き具体的な路地の再生事例に対して、行政、所有者へのインタビュー調査を実施し、主要な主体間でなされた価値共有、各々の役割、合意形成の進め方などの分析を試みる予定である。
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