研究課題/領域番号 |
21K14326
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分23030:建築計画および都市計画関連
|
研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
Shakya Lata 立命館大学, 衣笠総合研究機構, 准教授 (90723023)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 歴史的地域資源 / 仏教僧院 / 避難所 / 平常時 / 災害時 / 運営体制 / ネパール / 災害対応マネジメント / 自主避難所 / 共助 / 2015年ゴルカ地震 / 災害対策指針 / 公助 / 中庭空間 / 防災拠点化 / 避難生活 / 地区防災計画 / パタン旧市街地 |
研究開始時の研究の概要 |
2015年ゴルカ地震においては、歴史的仏教僧院やそれを起源とする中庭空間をはじめ、寺院周辺の広場等の「地域資源」が避難所として未指定でありながら多くの被災者の避難生活を支えた。現在のコロナ禍においても、感染者の隔離所として活用されている例もみられる。これらの活用方法を解明できれば、「災害に強い歴史的まちづくり」の実現が可能になると考えられる。本研究では、避難所や隔離所として活用された仏教僧院・寺院やその周辺空間における災害時を活用した災害対応マネジメントについて調査を行う。また、行政による災害対応の手法および災害対策の法制度の整理を行い、歴史都市の地域遺産を活かした災害対策指針を提案する。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は、ネパールにおける災害時に避難所や隔離所として利活用された仏教僧院、寺院、トル・チェ(コミュニティの集会場)やその周辺空間における災害対応マネジメントについて明らかにすることである。また、行政による災害対策の整理を行い、行政による災害対応がコミュニティ・レベルに如何に届くようにするのかという公助の在り方を考察すること、平常時から現地に存在する地域資源・共助が災害時に活かされている点を明確にし、歴史都市の地域資源を活かした災害対策指針の提案を目指す。 初年度となる2021年度は、まず災害対策関連の法制度の整理、2015ゴルカ地震に対する行政の対応を把握し、自主避難所に対する支援制度や行政対応の課題を明らかにした。2022年度は、現地のパタン仏教僧院総会と連携して、文化財や地域資源としての価値についてのシンポジウムを開催、および在家僧侶の修行式を継承している重要な僧院46か所の仏教僧院を対象とした訪問型アンケート調査を実施した。2023年度はアンケート調査結果を客観的分析を行い、現地の仏教総会と共同で報告会を開催した。また、避難所として利用するのに優れた条件をもつ事例を選定し、詳細ヒアリング調査を行った。さらに、過去の災害時の対応の実態把握に照らし合わせて、将来の災害に対する備えについて僧院管理者および居住者の情報共有・意識向上を目的としてワークショップを行った。その結果、防災拠点として適切な仏教僧院の条件を抽出することができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は現地におけるアンケート調査の結果報告および避難所として利用するのに優れた条件をもつ事例を選定し、詳細ヒアリング調査の実施ができた。
|
今後の研究の推進方策 |
選定した仏教僧院のヒアリング調査からは僧院建物や僧院の中庭だけではなく、周辺の広場・中庭の利用および周辺地域コミュニティ(町内会)との連携があることが見えてきました。今後はこれまでの調査結果を踏まえて、仏教僧院が中心とした周辺の一定の地域を含めた災害対応マネジメントについて追加調査・まとめを行う。
|