研究課題/領域番号 |
21K14329
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分23030:建築計画および都市計画関連
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研究機関 | 明石工業高等専門学校 |
研究代表者 |
本塚 智貴 明石工業高等専門学校, 建築学科, 准教授 (40751152)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 選択型分散避難 / 宿泊施設 / 避難者 / 宿泊事業者 / 運営 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,実際に選択型分散避難が実施された先行事例を対象としたアンケート調査および事例調査から,被災の様相と被災者数,災害対応資源や,避難所選択に関する情報量の違いが避難所選択の際にどのように影響したのかを明らかにする。避難先の選択に際しては避難先となる施設の特性によって支援へのアクセス,費用負担,ホスピタリティ,プライバシーなどの差が発生することが考えられる。また,選択型分散避難が一般化することによる指定避難所の運営への影響も考えられることから,地域にとっての分散避難の弊害とそれを防止するための支援枠組みも合わせて検討することで選択型分散避難モデルの構築を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では、災害時における避難者自身による選択型分散避難を実現するための宿泊施設利用の有用性と課題について、避難者・宿泊事業者・行政のそれぞれの視点から明らかにすることを目的としている。 R5年度は、選択型分散避難にむけた宿泊施設との交渉を行った地域の代表住民、和歌山県那智勝浦町役場の担当者、宿泊事業者へのインタビュー調査および宿泊施設の実測調査を実施し、地域住民と宿泊事業者の協定締結から市役所と宿泊事業者の協定締結に至った経緯を明らかにした。 宿泊施設の避難所利用時の条件については、旅館組合側が条件を提示しており、紀伊半島豪雨災害時にも宿泊施設の避難所利用の経験があり、その際の避難者の自己負担額(1人1泊3食6,000円)が元になっていると考えられる。また、地域が独自に避難に関する調査を行い、特にペット同行避難に対応するために、協力宿泊施設の拡大交渉が行われた。地域が主導して施設との交渉を行ったことから、那智勝浦町内に限定せずに施設との交渉が行われており、条件は旅館組合のものが踏襲されていた。実際にペット同行避難が行われている施設では避難情報発令の度に利用されるお客さんと施設関係者の間での交流が生まれていた(非日常の日常)。那智勝浦町は、3区の取り組みを参考として、利用者の金銭的な負担が増えないように配慮が行われた上で宿泊施設との間で「避難所としての宿泊施設の使用に関する協定」が結ばれた。町と宿泊施設との協定ということもあり那智勝浦町外の施設が対象外となったが協力する施設は19施設に増加し、町内の宿泊施設の約34%が避難所利用に協力していることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究開始時期が新型コロナ禍ということで、予定していた和歌山県那智勝浦町における選択型分散避難の選考事例に関する聞き取り調査を開始することはできたものの、緊急事態宣言等の発令により計画通りの調査を実施することができなかった。今年度は、宿泊事業者への聞き取り・アンケート調査を計画している。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き選択型分散避難の選考事例である和歌山県那智勝浦町を対象として、避難施設としての利用が想定されている宿泊施設の調査を行うとともに、過去に協力していた、新規に協力を開始した施設へのインタビュー調査を実施する。また、他地域での宿泊施設の避難所利用実体については調査を進める。
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