研究課題/領域番号 |
21K14344
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分24010:航空宇宙工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
宇佐美 尚人 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 助教 (70881225)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 膜面展開構造物 / アンテナ / COF / LSI / センサノード |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では将来のソーラーセイル等膜面展開構造物の高機能化に不可欠な、軽量かつ柔軟なワイヤレスセンサノードを実現可能な技術、即ち宇宙用RF-System-on-film (RF-SOF)デバイス技術を構築・実証する。具体的には、フレキシブルな基材にLSIを実装する技術を軸に、LSI・アンテナ・センサ・太陽電池をフレキシブルな基材に集積したデバイスを開発し、その軌道上実証を行う。
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研究実績の概要 |
二年目については導電性を持つ膜面上に形成するアンテナについて検討を主に行った。実際にセンサノードの実証を行うべく膜面上に配置するアンテナを検討したところ、膜面上に形成した平面アンテナは膜面と水平方向への利得を持たないため、IKAROSのような膜面と同一平面内にバスを持つ宇宙機に適用できないことを見出した。そこで、膜面に対して垂直偏波を出すアンテナを考案し、現在試作に向けた設計を行っている。 並行して、共同研究の一環としてセンサノードの要となる受信チップについても検討を行い、低NFの受信回路のコンフィギュレーションについて一定の解を得ることができ、その内容を国際会議に投稿し受理されている。該当回路は入力段にLNAを採用したバスシステムとしての受信機を指向したものではあるものの、LNAをオミットすることでミキサファーストの受信機となり、アクティブ型センサノードへの応用の可能性のある構成となっている。 また、2021年度に行った放射線試験の結果を基に低軌道への地上用部品の応用を見据えた簡易な放射線試験について考察を行い、その内容を国際会議へと投稿し受理された。本研究で実現を目指すセンサノードに利用できる必要十分な機能を持つ、スタンドアロンな無線チップは地上においてIoT向けに開発されており、インハウスでの開発の可能性とは別にこれらをCOTSとして利用することで開発を加速できる可能性がある。通常の宇宙機で利用する部品はSELの検証が必須であるが、従来の部品単位での重粒子試験の負担は極めて大きく、これをどこまで簡略化できるかについて検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
膜面上におけるセンサノードについて、そのアイディアの妥当な検証にむけたシステム構成を提案することができず、結果として予定していた実証を行うことができなかった。当初は実装技術がボトルネックとなり、それに集中的に取り組むことによって実証に足るシステム構成を提示できる見込みであったが、実際には膜面上のアンテナが真のボトルネックであり、これに集中的に取り組まざる負えなくなったためである。
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今後の研究の推進方策 |
アンテナがボトルネックであると明らかになったため、RF-COFの実証を完成したアンテナを用いたシステムとしての実証を来年度は目指すとともに、RF-COFの構成要素である膜面への熱設計も加味したチップ実装を分けて実施する。チップの設計製作については、より適用範囲の広いバスシステムの通信機向けのチップの技術のスピンオフを目指すとともに、より現実的な解としてCOTSの利用も含めた検討を行う。
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