研究課題/領域番号 |
21K14351
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分24010:航空宇宙工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
松野 賀宣 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 航空技術部門, 研究開発員 (70800845)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 確率最適制御 / 不確実性 / 飛行制御 / サイバーセキュリティ / 無人航空機 |
研究開始時の研究の概要 |
悪意のある虚偽情報が無人航空機システムに混入されるサイバー攻撃の脅威が潜在しており、意図的に無人航空機が飛行経路から逸脱させられ、誤誘導される危険性がある。しかし、風や航法誤差といった不確実環境下では、不確実性の範囲内に攻撃が潜み易く、攻撃を検出することが難しい。そこで本研究では、不確実環境下での攻撃の存在条件を明確化し、不確実性の範囲内に存在可能な攻撃を確率過程としてモデル化することで、将来想定されうる攻撃を確率的に予測する。そして、予測される攻撃の影響を軽減し、安全な最適経路を実時間で逐次生成する確率最適制御手法を確立する。
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研究実績の概要 |
最終年度となる本年度は,昨年度に続き不確実性を考慮した最適制御アルゴリズムを構築した.不確実性として主に風速誤差を考慮し,不確実性が航空機の飛行軌道に与える影響(飛行軌道の期待値や共分散)を制御する共分散制御手法を構築した.ここでは,無人航空機の安全かつ効率的な運航を実現するため,コリドーと呼ばれる専用空域を設定し,あらかじめ設定されたコリドー内に留まるように飛行する最適制御則(フィードバック制御則)を設計した.特に,不確実性として時空間相関のある風速誤差を考慮し,確率制約を含む共分散制御問題を凸計画問題として定式化した.そして,数値シミュレーションを通して,提案手法の有効性を評価した.提案する最適制御アルゴリズムにより不確実性の制御を容易に行うことができ,様々な状態制約に対して適切な最適軌道を生成できることを示した. 研究期間全体を通して構築した最適制御アルゴリズムでは,不確実性として主に風速誤差を考慮した.特に,時空間相関のある誤差に着目し,相関を考慮しない場合(無相関の誤差)と比較することで,相関のある誤差を考慮することの効果を明らかにした.実際の誤差に相当する相関のある誤差を考慮することで,適切な最適軌道を生成できることを示した. 研究期間全体を通して得られた研究成果は,実環境における無人航空機システムの応用において,不確実性管理の強化による信頼性と安全性の向上に貢献することが期待される.
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