研究課題/領域番号 |
21K14353
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分24010:航空宇宙工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
久田 深作 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 航空技術部門, 研究開発員 (10898810)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 複合材料 / 成形 / Tool-part interaction / 光ファイバ / 残留変形 |
研究開始時の研究の概要 |
複合材構造の製造時間・コストを低減し、航空宇宙構造への複合材適用を拡大するために必要な製造シミュレーションに向けた成形モデル構築を目指す。複合材成形過程における複合材-治具間の干渉に起因する残留変形メカニズムを光ファイバセンサによるその場計測に基づいて明らかにし、成形治具及び複合材中の繊維・樹脂の力学挙動と紐づけてモデル化する。
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研究実績の概要 |
今年度は複合材成形過程における複合材‐治具間でのせん断応力を推定するための試験技術の構築に取り組んだ.具体的には,厚さ0.3-0.5mmの薄いアルミ板にひずみ計測用の光ファイバを接着し,CFRP表面に配置した試験片を作成し,成形中のひずみ変化を取得した.光ファイバは中心波長の異なるFBGセンサを複数配置することにより,WDM(Wavelength Division Multiplexer)方式による多点計測が可能なものを使用した.試験片長手方向の各位置におけるひずみ計測結果と理論式から,成形中の複合材-治具間のせん断応力および界面状態(Sticking or sliding)を推定した. 今年度の研究によって得られた成果として,従来では不可能であった成形中の複合材-治具間のせん断応力の直接的な評価が可能になったことが挙げられる.複合材成形は高温高圧下(e.g., 180℃6気圧)で行われるため,実成形条件における成形中のデータを取得できることはそれ自体が貴重である.特に界面せん断応力は本来光ファイバによって直接的に計測できるものではなく,理論解析と組み合わせることで初めて可能になるものである.界面せん断応力は複合材-治具間干渉による残留変形に最も寄与するものであり,この技術によって成形シミュレーションの精度が向上し,複合材成形後の残留変形がより正確に予測できるようになる.結果として,製造品質の向上やプロセス設計の効率化に寄与できるという点で重要である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は来年度以降の研究に必要な計測技術を予定通り確立することができたため,順調に進展したと言える.
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今後の研究の推進方策 |
今年度確立した計測技術を用いて,成形サイクル・材料種などが成形中の複合材-治具間のせん断応力に与える影響を評価する.また,その場計測の結果から理論式を用いて,せん断応力・摩擦条件を推定し,FEMに反映させることで成形シミュレーションによる現象の再現・理解を試みる.
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