研究課題/領域番号 |
21K14376
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分25020:安全工学関連
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研究機関 | 法政大学 (2022-2023) 東京大学 (2021) |
研究代表者 |
武田 伊織 法政大学, 理工学部, 助手 (70792266)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 中腰作業支援 / CFRP / 筋電 / 画像認識 / 腰痛防止 / 装具 / モーションキャプチャ |
研究開始時の研究の概要 |
作業療法士や工場労働者等の中腰作業に起因する腰痛が労働災害として問題となっている.スクワットは腰椎を屈曲させない理想的な中腰姿勢だが下肢関節の負荷が大きく,元の体勢への復帰も難しい.逆に言えば,スクワット時の下肢関節への負荷を低減しつつ体勢の復帰を支援できれば良い. 本研究は,軽量かつ優れたバネ性能を持つ炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を用いた中腰作業支援システムの開発を目的とする.足関節の底屈時,装着者の体重によって変形したCFRPに復元力が発生する.復元力は脚を下から支え,下肢の筋肉が体勢を維持するために本来果たすべき仕事を一部肩代わりする.また,元の体勢への復帰も支援する.
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研究成果の概要 |
本研究は,炭素繊維強化プラスチック製の板バネを活用した中腰作業支援装具に関する.様々な厚さの板バネを用いて,10kgの重りを持ち上げ/降ろした際の筋使用量を,未着用時と比較した.計測する対象は,大腿直筋,腓腹筋,前脛骨筋の三つとした.33%の被験者で筋使用量の有意な減少が確認できた.残りのうち33%は,前脛骨筋の使用量が有意に増加した一方で,大腿直筋と腓腹筋の使用量が有意に減少した.これは,板バネを被験者自身の体重をかけて屈曲させるという,本研究の装具本来の使用法を習熟することで改善可能である.以上から,個人差はあるものの本装具が中腰作業時の筋使用量低減に一定の効果があることがわかった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題で提案したシステムを使用することで,スクワット姿勢時の下肢筋肉使用量低減が見込めることが明らかとなった.スクワット姿勢での作業は,腰椎を屈曲させないため,腰痛の防止に期待できる.本システムは動力を必要としないため充電が不要であり,構成も簡素なため歩行等の日常動作を阻害しにくい.介護施設職員の約90%が腰痛を訴えているという状況で,本研究が持つ社会的意義は非常に大きいと考える.
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