研究課題/領域番号 |
21K14382
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分25020:安全工学関連
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研究機関 | 松江工業高等専門学校 |
研究代表者 |
岡崎 泰幸 松江工業高等専門学校, 環境・建設工学科, 准教授 (50806081)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 山岳トンネル / 空間的不均質性 / 地盤物性 / 数値解析 / 安定性評価 / 山岳ト ンネル |
研究開始時の研究の概要 |
地盤は天然材料であるがゆえに,地盤物性が空間的に不均質な状態となっている.しかしながら,数値解析を用いて山岳トンネルの支保設計を行う場合,地盤物性の空間的な不均質性はモデル化に反映せず,地盤の各地層を均質な材料と仮定するのが一般的である.そのため,現状の数値解析を用いた山岳トンネルの支保設計は,地盤物性の空間的な不均質性がトンネル掘削時の安定性に及ぼす影響に関するリスク評価を十分にできていないと考えられる. そこで本研究では,地盤物性の空間的な不均質性を確率場理論に基づいて考慮した連続体解析を用いて,地盤物性の空間的な不均質性が山岳トンネル掘削時のトンネルの安定性に及ぼす影響を確率的に評価する.
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研究実績の概要 |
現状の数値解析を用いた山岳トンネルの設計は,地盤物性の空間的な不均質性がトンネル掘削時のトンネルの安定性に及ぼす影響に関するリスク評価を十分にできていないと考えられる.実際に近年でも,数値解析による設計時の地盤物性の空間的な不均質性に関する評価不足が山岳トンネルにおける事故発生要因の1つとなっている場合があるのが現状である. そこで,本研究では,数値解析による山岳トンネルの設計の高度化に寄与することを目的とし,地盤物性の空間的な不均質性を確率場理論に基づいて考慮したトンネル掘削解析のモンテカルロ・シミュレーションを実施した.そして,地盤物性の不均質の程度(地盤物性値の変動係数と空間的な変動のスケール)や不均質地盤における設計条件(トンネル径と初期応力)の違いがトンネル掘削時のトンネルの安定性(特に,トンネル周辺の最大せん断ひずみ)に及ぼす影響について総合的に評価した. その結果,現在において一般的に用いられている均質地盤を模擬した数値解析では,多くのケースでトンネル周辺の最大せん断ひずみを過小評価する可能性が高いことが明らかとなった.また,山岳トンネルの安定性の指標となる限界せん断ひずみと,各解析ケースで得られたトンネル周辺の最大せん断ひずみを比較することで,各解析ケースにおいて限界せん断ひずみを超過する確率(トンネル崩壊のリスク)を示した.これにより,地盤の不均質性の程度と設計条件によってはトンネル崩壊のリスクが高くなる可能性があり,特に地盤物性値の変動係数,トンネル径および初期応力が大きくなるほど,そのリスクが高くなる傾向にあることがわかった.また,本研究では,トンネル崩壊のリスクを様々な解析ケースで求めたため,上記に示したような地盤の不均質性の程度と設計条件を事前に把握できれば,トンネル崩壊のリスクを簡易的に推定し,設計変更等の判断に用いることができると考えられる.
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