研究課題/領域番号 |
21K14383
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分25020:安全工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人防災科学技術研究所 |
研究代表者 |
砂子 宗次朗 国立研究開発法人防災科学技術研究所, 雪氷防災研究部門, 契約研究員 (60874295)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 雪崩災害 / ハザードマップ / 雪崩 / 衛星画像解析 |
研究開始時の研究の概要 |
雪崩災害の被害防止のためには雪崩が発生するポテンシャルが高い斜面を評価したハザードマップの整備が重要である。しかし、これまでの手法は経験式の構築やハザードマップの検証データとして過去の雪崩発生記録及び調査データが要求されるため、雪崩発生情報が蓄積されていない地域において精度の良いハザードマップを作成することが困難であった。そこで、本研究はハザードマップが整備されていない地域について、衛星観測データを用いて過去の雪崩発生地点を特定すると共に、地形・植生情報に加え降水量空間分布を用いることで、現地データに依存せずに高精度に雪崩発生危険斜面を特定する手法を開発する。
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研究実績の概要 |
本研究は,複数の衛星観測データ及び気象データを用いることで,現地観測データに依存せずに雪崩発生危険斜面を推定する手法を確立することである.2022年度に引き続き新潟県湯沢町・長岡市及び津南町周辺を対象として,解像度10 mの数値標高モデル (DEM,国土地理院が公開) から取得した各種地形情報と,光学 衛星 (Sentinel-2) から求めた植生及び積雪被覆分布を用いて主要道路の雪崩発生危険斜面抽出を実施した.また,過去の雪崩・積雪調査等を目的として冬期に実施された航空測量データを元にDEM及びオルソ画像を作成し,無雪期のDEMとの差分から詳細な積雪深分布を作成した.対象地域では空撮画像から抽出した過去の雪崩判読図が作成されているが,本研究で作成した積雪深分布を用いて未判読であった雪崩の抽出や既存の判読結果の修正を実施した (修正後の雪崩判読数:394). さらに対象地域において,SAR衛星(Sentinel-1A/ 1B) データを利用して2017年以降の雪崩発生の有無を抽出可能か調査したが,明瞭な結果は得られなかった.従って,気象データを利用した閾値の設定を検討する.最終年度はこれまで抽出した雪崩発生危険斜面を地域や斜面スケール毎に整理してその傾向をまとめると共に,本研究の最終成果である雪崩ハザードマップを作成する.また,本研究の課題についてまとめるとともに,他地域への横断展開の可能性について精査する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究開始時の計画では,対象地域をサハリン島としていたが,昨今の国際情勢から現地研究者との情報交換が困難になったため,対象地域を日本国内 (主に新潟県) に変更した.そのため,研究全体の進捗が滞った.また,SAR衛星データを利用した雪崩抽出方法について,先行研究の手法と比較して明瞭な結果が得られておらず,手法の改善が必要である.そのため,研究全体の進捗状況としてはやや遅れていると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
最終年度はこれまでまとめた雪崩発生危険斜面の分類とSAR衛星データによる雪崩抽出方法の改良に取り組む.SARデータを利用した雪崩抽出については,再解析気象データを用いた閾値の設定を検討している.また,過去の冬季に実施された航空測量結果から得られたDEMの精度検証が未実施なので,対象地域についてGNSS測量を実施する.そして,本研究の最終目標である雪崩ハザードマップを作成すると共に,本研究の課題について整理し,他地域への横断展開の可能性について精査する.
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