研究課題/領域番号 |
21K14390
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分25030:防災工学関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
小林 秀行 明治大学, 情報コミュニケーション学部, 専任准教授 (80779851)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 災害 / 多重被災 / 情けなさ / 申し訳なさ / 恥 / 生活再建 / 災間 / 社会認識 / 災害継承 / 絆 / 東日本大震災 / 責任 / 虚構 / 風化 / 忘却 / 消費 / 自然災害 / 災害サイクル / 災害過程 / 被災の重層化 |
研究開始時の研究の概要 |
災害の理解としては、1つの災害が完結した後に次の災害が発生する、いわゆる災害(減災)サイクルの図式が一般に知られている。しかし、現状は、1つの災害が完結を迎える前に、次の災害に見舞われるという被災の重層化が発生している。本研究は、このような多重被災状況に見舞われた地域が、どのようにそうした新たな危機に対峙し、受容していくのか、という構造を明らかにし、現状に見合わなくなりつつある災害(減災)サイクル図式、すなわち災害を理解するための図式の更新を試みることを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究は、災害は時間をおいて繰り返すというこれまでの災害理解に対して、①それでは我々はその時間のなかでどのように災害を受容していくのか、②これまでの理解が災害の頻発によって変わらざるを得ない中で人々はどのように災害を経験しているのか、という2点を明らかとしたものである。研究の結果、①については記憶と継承において「想起の場」という空間が形成されてきていること、②については多重被災と呼ばれる事態のなかで被災者に「情けない」という特徴的な感情が見られていることを明らかとした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究ではアンケート調査および文献調査を通じて、災害の狭間にある平穏期における社会の姿の一端を明らかとしたものである。とりわけ、多重被災と呼ばれる短期間に災害が繰り返す事態では、被災者から「情けない」という言葉が確認された。これは通常の災害では多くはみられない言葉であるが、被害が繰り返すことによる無力感や徒労感によってこのような言葉がみられることが明らかとなった。こうした事実は、今後の社会における災害理解や被災者支援のあり方に変容が必要なことを示すものであり、この点に本研究の学術的・社会的意義がある。
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