研究課題/領域番号 |
21K14400
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
谷村 洋 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (70804087)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 光物性 / 時間分解分光法 / 超高速現象 / 相変化材料 / 共鳴結合 / 時間分解分光 / フェムト秒レーザー / 光相変化材料 / 超高速分光 / 光誘起相転移 |
研究開始時の研究の概要 |
DVDなどの記録面に用いられ、情報記録を可能にする「相変化材料」は、SbやGeTeなどのV属、IV-VI属化合物結晶を母材料としている。相変化材料の動作原理は、材料の結晶層のみに存在する共鳴結合に起因している。最近、申請者の研究により、共鳴結合は原子配列に極めて敏感に応答し、温度上昇による原子の熱振動振幅の増加によっても誘電率が大きく減少する事が明らかになった。このことは原子変位を伴う結晶構造相転移が生じた際、大きな光学特性の変化が発生し得る事を示している。本研究では、岩塩型構造を母構造とし、歪みのある構造へ相転移する材料を対象として歪みの有無による光学特性の変化を研究する。
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研究成果の概要 |
DVD等に用いられている相変化材料は,結晶相中に共鳴結合という特異な結合をもつ.この結合のため相変化材料の結晶相-アモルファス相間には反射率の差異が存在し,DVD等では両相間をレーザー照射によって制御することにより情報記録を行っている.本研究では共鳴結合性結晶の結晶構造相転移の際に生じる光学特性変化に着目し.フェムト秒レーザーを用いた時間分解分光法による結晶構想相転移のダイナミクスやその際の光学特性の変化を調査した.斜方晶-立方晶相転移を示すPbGeTe系を対象として測定を行った結果,コヒーレント光学フォノンが強励起条件では消失するという相転移を示す挙動が観測され,光学特性にも変化が生じた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現状の光相変化材料は結晶相-アモルファス相間の相転移を利用している.アモルファス化には高い強度の光照射を行う必要があり,かつ原子の拡散を要する機構であるため,省エネルギー化・高速化を目的として,物性の変化を伴う結晶-結晶相転移を利用する結晶性の相変化材料の開発が試みられている.本研究は,過去に明らかになった,共鳴結合を有する光相変化材料が,原子の熱振動のような格子系の変化で光学特性が大きく変化することに着目し,結晶構造相変化を示す共鳴結合結晶に期待される相転移の前後の光学特性変化を調査するものである.本研究の遂行は,従来材料よりも高速な結晶性の相変化材料の開発指針となる.
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