研究課題/領域番号 |
21K14401
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
高橋 亮 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (80822311)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 第一原理計算 / 機械学習 / ハイスループット計算 / マテリアルズインフォマティクス |
研究開始時の研究の概要 |
近年、大規模な材料データベースが世界各国で公開されており、機械学習を用いてデータを解析するマテリアルズインフォマティクスが流行しているが、網羅的第一原理計算の煩雑さと、多変数を効率よく最適化する機械学習の手法が確立されていないことがボトルネックとなっている。 本研究では、自動第一原理計算プログラムと機械学習モデルにより多数の物質の物性値を効率よく予測し、多変数ベイズ最適化を行うことで無機材料の自動探索システムを開発する。更に得られたデータから特性決定因子を抽出し、無機材料の俯瞰的理解及び設計指針構築へと展開する。
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研究成果の概要 |
物性値が一定の範囲内に収まるような物質探索を機械学習により自律的に行う手法を開発した。研究室内のデータベースで性能テストを行った結果、極端な範囲を指定しない限り、ベイズ最適化よりも本手法の性能が優れていることを示した。また本手法は複数の物性値を考慮して探索する場合にも適用可能である。(STAM: Methodsに2022年4月に出版) さらにハイスループット計算技術を組み合わせることで、自律的に材料探索を行うシステムを開発した。high-k誘電体探索を想定したテストを行い、ランダムな計算を行うよりも約5倍速く目標物質を同定できることを示した。この成果については現在論文を投稿中である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
データ科学や機械学習を材料科学に応用する研究は本研究課題採択前から広く流行しており、また第一原理計算による大規模データベースが公開され機械学習の様々な手法がテストされていた。一方で未知の物質探索に関する研究は意外に珍しく、革新的な材料の開発はまだ行われていなかった。 原因として(1)複数の物性値を同時に考慮する手法が一般的でないこと(2)ハイスループット計算の技術が複雑であること、の2点が考えられる。本研究では新しく手法を開発することにより(1)を、実際に自律探索システムを作ることで(2)を解決した。本手法は様々な物質群・物性値に適用可能であり、半導体・誘電体に限らず応用されることが期待される。
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