研究課題/領域番号 |
21K14404
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 東京大学 (2022) 信州大学 (2021) |
研究代表者 |
簾 智仁 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任助教 (40783923)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | トポケミカル反応 / 層状複水酸化物 / 硝酸イオン / トポケミカル法 / イオン吸着 / Rietveld解析 / X線吸収微細構造 / ナノ空間 / 原子配列 / XAFS / 吸着等温線 / 第一原理計算 / 水素結合 / イオン交換 / RDF解析 |
研究開始時の研究の概要 |
2021年度前半は,原子配列テンプレート法による新奇原子配列をもつLDHsの作製を実施する。歪みの規則配列化に着目し,JT活性イオン(Ni3+,Co2+,Fe3+(HS),Fe4+(LS),Mn4+)とJT不活性イオン(Ni2+,Co3+,Fe4+(HS),Mn3+)の混合組成からなるLDHsを作製する。 2021年度後半~2022年度は,LDHsの原子配列を解明するために,平均構造と局所構造からの解析を試みる。ラボでの粉末X線回折測定および放射光粉末X線回折測定,X線微細構造スペクトル測定と解析による平均・局所構造の解析をルーチンワーク的に実施する。
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研究成果の概要 |
新奇な原子配列をもつ層状複水酸化物(LDHs)を創製することを目的とした。トポケミカル反応を基軸としたLDHsの原子配列制御の手法確立と、イオン吸着の性能評価およびメカニズム解明を通して、無機吸着材による選択的なイオンの吸着・分離の指導原理を獲得に挑んだ。結果、トポケミカル反応により合成したLDHsは、従来の固溶限を超過した固溶組成や高い配列対称性を持つことが分かった。さらに、これらのLDHsは、高いフッ化物イオン選択性や硝酸イオンに対する高い吸着容量を示したことから、原子配列、つまり吸着サイトの幾何学配置がイオンの吸着分離の鍵となることを初めて示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
反応性窒素の人為活動による生産量は年々増加している。特に、施肥や産業、生活によって生成され、環境中の水への排出される硝酸イオンの量は、化石燃料の消費による放出量や農地による固定量をはるかに上回っており、窒素の地球科学的循環に向けた選択的な分離・濃縮技術が求められている。分子科学の観点でも、平面分子内に電荷共鳴構造をもつため、電荷密度や求核性が極めて小さく、一般に、物質との相互作用が小さい。そのため、吸着材による水中からの分離が極めて難しい。それに対して、今回開発したLDHsは極めて高い硝酸イオン吸着能をもつため、環境問題の解決に資するのみでなく、吸着科学の学理構築に資するものである。
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