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第一原理多電子計算と機械学習を用いた蛍光体の狭帯域発光と局所構造の関係の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K14408
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分26020:無機材料および物性関連
研究機関関西学院大学 (2022)
国立研究開発法人物質・材料研究機構 (2021)

研究代表者

竹村 翔太  関西学院大学, 理工学研究科, 博士研究員 (00889917)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2023-03-31
研究課題ステータス 中途終了 (2022年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
キーワード蛍光体 / Eu2+ / 発光半値幅 / 第一原理計算 / 局所構造 / 機械学習 / 狭帯域蛍光体
研究開始時の研究の概要

液晶ディスプレイ用途の蛍光体では広色域を実現するために、発光線幅の狭いものが要求されている。発光イオンとしては主にEu2+が用いられており、Eu周りの局所構造が発光線幅の大小の大部分を支配していると考えられているが、その局所構造と発光スペクトルの半値幅の関係については未解明であり、その因子を理論的に解明することが最重要である。本研究では、多電子系の取り扱いが可能な第一原理配置間相互作用計算プログラムであるDVME法と機械学習を用いて、発光イオンであるEu2+周りの局所構造が発光スペクトル線幅に与える影響を明らかにする。

研究実績の概要

まず、賦活されたEuの配位構造と発光半値幅の対応を明確にするため、Eu2+の置換サイトが1種類である既知Eu2+蛍光体30個について、文献等から実験的な発光半値幅の収集を行った。次に、それらの結晶構造データから、Euの置換サイトとなるアルカリ・アルカリ土類金属イオンを中心として、その第一近接配位子からなるモデルクラスターを作成し、計算には、中心金属イオンをEuに置き換えたものを使用した。相対論効果を考慮できる相対論DV-Xα分子軌道法および多電子系の取り扱いが可能な第一原理配置間相互作用計算プログラムである相対論Discrete Variational Multi Electron(DVME)法を用いて、Euの4f-5d遷移エネルギーをはじめとする種々のエネルギーを求めた。求めたEu-4fおよび5d分子軌道エネルギーの分裂、結晶場分裂エネルギー、4f-5d遷移エネルギーについて、実験的に報告されている4f-5d遷移エネルギーとの相関を調べた。その結果、計算によって求められた種々のエネルギー構造と報告されている発行半値幅に相関は見られなかった。さらに第一原理計算から得られる電子状態パラメータである有効電荷や電子配置の成分との相関も調べたが、こちらも相関が見られなかった。
これは、経験的に知られているEu2+蛍光体の発光半値幅はEu周りの局所構造に依存するという知見と異なる結果であり、発光半値幅を支配している因子は局所構造だけでなく、母体となる結晶構造と賦活イオンとの関係がより重要であることを示している。そのため配位子のアニオンだけでなく周囲のカチオンやフォノンなどとの相互作用を調査する必要があると考えられる。

報告書

(2件)
  • 2022 実績報告書
  • 2021 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2023-12-25  

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