研究課題/領域番号 |
21K14412
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
研究代表者 |
七井 靖 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 電気情報学群, 助教 (80755166)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 蛍光体 / 近赤外線 / 発光特性 / 結晶化ガラス / ガラス / 3d遷移金属イオン / 希土類イオン / 光物性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、近赤外領域に広帯域な発光帯を有する結晶化ガラス(結晶化ガラス蛍光体)およびそれを用いたLEDの実現に向けて、結晶化ガラス蛍光体の発光特性や光学的性質の制御指針を得るためのものである。具体的には、クロムイオンを添加した単一または複数のケイ酸系またはゲルマン酸系材料を内包する結晶化ガラスを対象とし、前駆体となるガラス組成や熱処理条件を体系的に変化させたときに、結晶化ガラス蛍光体の試料形態や発光特性、および光学的性質がどのように変化するか明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究は近赤外領域に広帯域な発光帯を有する新規透光性結晶化ガラス蛍光体の開発を目的としたものである。研究成果として、広帯域な近赤外発光帯と透光性を両立する新規Cr2O3-CaO-GeO2系結晶化ガラス蛍光体を見出すとともに、以下の知見が得られた。 これまで近赤外蛍光体では検討されていなかった6配位のGe4+サイトが、Cr3+の置換サイトとして機能することを明らかにした。また、高い発光量子収率を得るためには、蛍光体結晶の結晶成長を進行させるだけではなく、クロムイオンの価数制御が重要であることが分かった。さらに、ガラスの組成によって、析出する結晶形態を制御できることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、近赤外分光分析用の発光ダイオードへの応用に指向し、広帯域な近赤外発光と透光性を有する結晶化ガラスを開発するための指針を得ることを目的とした。新規材料の開発と物性評価を通して、Cr3+が6配位のGe4+サイト中でも発光することを明らかにし、近赤外蛍光体の材料設計に新しい指針を示すことができた。また、高効率な発光を得るためには結晶化ガラス中のクロムイオンの価数制御が重要な課題になることを分光測定により解明できた。これらの成果を踏まえた材料開発は、将来的に近赤外線を用いた非破壊成分分析を利用する農業や医療など、多くの応用分野の発展に寄与するものである。
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