研究課題/領域番号 |
21K14413
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
研究代表者 |
浜嵜 容丞 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 応用科学群, 助教 (40826624)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 強誘電体 / 磁性体 / 薄膜 / マルチフェロイック / エピタキシャル / エピタキシャル歪 |
研究開始時の研究の概要 |
「Society 5.0」の実現には消費電力低減は急務の課題であり、磁気秩序と強誘電性を併せ持つマルチフェロイック物質を用いたメモリは低消費電力が期待される。本研究では、室温マルチフェロイック物質の有力候補のε-Fe2O3に着目した。強誘電性測定の妨げとなるリーク電流は、磁性元素の非磁性元素への置換で改善されるが、逆に磁気相転移温度が低下してしまう問題がある。申請者は、ε-Fe2O3では磁性元素の占有サイトの違いにより磁気相互作用が大きく変化することに着目し、単結晶基板からのエピタキシャル歪によって薄膜の磁性元素のサイト占有率を変化させ、磁気特性の制御を目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では、室温マルチフェロイック物質の有力候補のε-Fe2O3に着目した。鉄酸化物であるε-Fe2O3は価数の揺らぎによるリーク電流が多く、本来の強誘電性の測定が困難である。このリーク電流は価数変化のない三価の非磁性元素で鉄を置換することで抑制可能であるが、非磁性元素での置換は逆に磁気相転移温度を大きく低下させてしまう問題がある。申請者は、ε-Fe2O3では磁性元素の占有サイトの違いにより磁気相互作用が大きく変化することに着目し、単結晶基板からのエピタキシャル歪によって薄膜の磁性元素のサイト占有率を変化させ、磁気特性の向上を確かめた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は鉄酸化物強誘電体に対し、リーク電流抑制目的に置換した非磁性元素のサイト占有率を基板からの格子歪により制御したものである。この結果は、室温で磁気秩序と強誘電性の両物性を発現させる一つの設計方法を提案することができたと考える。
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