研究課題/領域番号 |
21K14424
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分26040:構造材料および機能材料関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
鈴木 飛鳥 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (90802603)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | セル構造体 / 結晶構造 / トランススケール / 力学特性 / その場観察 / 圧縮試験 / 気孔構造 / 塑性変形 / 脆性 / 金属間化合物 / 微視組織 / 規則度 / 熱処理 / 反応過程 / その場反応 / 軽量材料 |
研究開始時の研究の概要 |
電気自動車の航続距離に向けて,車体重量の軽量化が求められている.そのためには,非常に軽く,かつ剛性や強度の高い材料を開発する必要がある.本研究では,材料の中に多くの孔をもつ超軽量セル構造体に着目し,その構造の制御や強度向上を目指す.具体的には,セル構造体の中のナノ~マクロまでの構造がどのように形成されるかを最先端の観察・解析技術を活用して調べ,その知見をもとに複数のスケールの構造を同時に制御する.また,そのセル構造体の強度や変形の過程を調べ,その知見をもとに超軽量・高剛性・高強度なセル構造体創製を実現する.
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研究成果の概要 |
本研究の成果は大別して3つある。1つ目は、L12型結晶構造を持つ(Al, Fe)3Tiセル構造体のセル構造形成過程と組織形成過程をその場観察と傾斜反応進行度試料の観察によって調査し、それらの間の関係性を理解できたことである。2つ目は、ポスト熱処理プロセスによって、(Al, Fe)3Tiセル構造体のナノ・ミクロスケールの構造を制御可能であることを示したことである。3つ目は、(Al, Fe)3Tiセル構造体において約100 MPaの高強度と一定の塑性変形能を確認したことである。高気孔率化に伴って強度・変形能の低下は見られたが、今後の研究によって軽量・高剛性・高強度な構造材料の創製が期待できる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
(Al, Fe)3Tiセル構造体は複数のスケールの構造制御によって機能を発現する材料である。本研究では、マクロスケールでのセル構造形成とミクロスケールでの組織形成の関係を明らかにした。この成果はトランススケールで構造制御するための学術的知見を提供した。 また、(Al, Fe)3Tiセル構造体において、高い強度と一定の塑性変形能が発現することを明らかにした。今後の研究によって、本セル構造体のトランススケール構造をより精密に制御することで、軽量・高剛性・高強度を有する新たな構造材料を創製し、輸送機器の軽量化に貢献できると考えられる。
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