| 研究課題/領域番号 |
21K14428
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| 研究種目 |
若手研究
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| 配分区分 | 基金 |
| 審査区分 |
小区分26040:構造材料および機能材料関連
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| 研究機関 | 東京都立大学 (2023) 山陽小野田市立山口東京理科大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
秦 慎一 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 特任准教授 (20796271)
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| 研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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| 研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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| 配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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| キーワード | カーボンナノチューブ / 界面活性剤 / 有機熱電材料 / n型半導体 / n型伝導 / 両親媒性ドーパント / Li イオン受容体分子 / 水和水 / 有機熱電 / 分子ラッピング / 比表面積 / 耐水性 / 超分子 / 高分子 / 化学ドーピング / 金属ナノ粒子 |
| 研究開始時の研究の概要 |
エネルギー自給率向上を望む我が国では、化石燃料由来の未利用低温排熱を電気に変換する軽量かつ柔軟な有機熱電モジュールの実現が強く求められる。しかしその性能を真に発揮するには、構成部であるn型有機材料の空気中酸素・水に起因した性能劣化を防ぐことが必要不可欠であった。一方、申請者が調製したカチオン性界面活性剤ドープカーボンナノチューブ(CNT)では、水中でn型有機熱電特性の劣化が2週間もなく、世界に先駆けて安定化の知見を得ている。本研究では特異な安定化機構とnドープ挙動を解明するとともに、“分子性カチオンドーパント”を適切に構造制御することで、この材料の発電性能を実用水準まで発展させることを目指す。
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| 研究成果の概要 |
n型有機半導体は過去数十年にわたって広く研究されてきたが、比較的低い電荷キャリア移動度と周囲の空気や水に対する安定性の低さ、さらには工業プロセスに適応可能な製造方法の欠如という課題に直面している。この課題は、有機材料分野の発展に制約をもたらしている。そこで、本研究では、大気中に放出される未利用熱(150℃以下)を電気に変換する能力を有するカーボンナノチューブ(CNT)をn型特性に誘導するための分子性ドーパントの開発を目指した。その結果、特定の界面活性剤分子によるナノチューブの分子ラッピングが、キャリア電子を保護し、大気中での安定性と耐水性を向上させることが明らかとなった。
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| 研究成果の学術的意義や社会的意義 |
CNT上のカチオン性ドーパントマトリックス領域を拡大して空気・水/CNT 界面領域を大幅に縮小すると、安定した電子輸送特性がさらに向上する可能性があり、今後の研究で調査する必要がある。従来多くの研究では、有機溶媒中でCNTを金属イオン、アミン化合物、またはアンモニウム塩で処理することによってnドーピング処理が行われてきた。これと比較すると、本課題のドーパント処理は希薄な界面活性剤水溶液中で実行され、長寿命なn型CNTを調製できる。本課題では、幅広い環境温度・湿度環境にて動作するエネルギーハーベスティングおよびセンシング用途向けの高効率熱電モジュールを開発するための新しい研究が可能になる。
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