研究課題/領域番号 |
21K14446
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分26060:金属生産および資源生産関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
安達 謙 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (10880057)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | クロムめっき / 合金めっき / 濃厚水溶液 / 亜鉛めっき / 電気化学 / 三価クロム浴 |
研究開始時の研究の概要 |
飽和溶解度に近い高濃度で金属塩を溶解した濃厚水溶液は、通常の水溶液にはない電気化学特性を有することから近年注目を集めている。本研究では、濃厚系三価クロム浴をベースとした合金めっき浴を用いて、新規クロム系合金めっきの開発に取り組む。クロムと異種金属の合金めっき形成について系統的な調査を行うことで、従来のクロムめっきよりも優れた特性を有する合金めっき素材の創製を目指す。
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研究成果の概要 |
新規のクロム合金めっきの創製を目的として、濃厚塩化物浴における各種金属の電析挙動を調査し、クロムとの共析が期待される金属種について合金めっき試験を行った。濃厚塩化物浴において各種金属の電極電位は希薄浴よりも卑にシフトし、報告されている錯体種の熱力学データと大きく異なるものも見られた。これらの金属イオンは未報告の錯体種として存在していることが示唆される。クロムとの共析が可能な金属種として、クロム-亜鉛の組み合わせについて注目した共析試験を行った。この系ではクロムと亜鉛が交互に堆積した積層構造を有する金属膜が得られ、本手法のみで作製されるユニークなめっき皮膜であることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
濃厚塩化物浴における各種金属の電析挙動を系統的に調査することで、金属電析浴としての濃厚水溶液系の利用可能性および有用性を明らかにできた。本研究を足がかりとして、新たな金属めっき素材の開発が進展すると期待される。また、クロム-亜鉛の組み合わせからなる共析膜は、従来法では得られない特異な層状構造を有する。これらの耐腐食性および物性や、共析機構について今後明らかにすることで、合金電析膜の構造と物性の関係に関しても新たな側面を明らかにできる可能性がある。
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