研究課題/領域番号 |
21K14450
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分27010:移動現象および単位操作関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪市立大学 (2021) |
研究代表者 |
増田 勇人 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 講師 (90781815)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 熱・物質移動 / テイラー渦流 / 異常輸送 / 非平衡 / 数値流体力学 / 非ニュートン流体 / 伝熱促進 / 熱対流 / 非平衡熱力学 / 円錐型テイラー渦流 / 熱物質移動 / プロセス強化 / 浮力 / 混合強化 / 非線形現象 |
研究開始時の研究の概要 |
高速で熱・物質を輸送させることができれば,化学プロセスの効率化や拡散律速の克服など,新規技術の創出が期待できる。そこで申請者は,非平衡プロセスでしばしば発現する高速熱・物質移動現象,いわゆる異常輸送に着目した。本研究課題では,安定した散逸構造であるテイラー渦流系をモデル流動場として,高分子流体のマルチスケールで発現する物性特性に起因する揺らぎとの非線形相互作用に着目し,熱・物質異常輸送のメカニズム解明および数理モデルの構築を目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では,非平衡・不均一な場におけるテイラー渦流の熱・物質移動特性を検討した。円錐系テイラー渦流や温度分布を伴う円筒系テイラー渦流を対象とし,実験による流動観察,温度計測,および数値解析を行った。なお,流体には高分子流体を用いた。円錐系テイラー渦流において,Meridional flowによる渦セルの上昇速度は高分子流体のレオロオジー特性の影響を受けることがわかった。また,温度不均一場における円筒系テイラー渦流では,テイラー渦流と自然対流の相互作用によって多様な流動モードが観測され,テイラー渦流と自然対流が交互に出現するモードでは伝熱が促進された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
プロセス強化技術の創出において,流体運動を介した熱・物質移動の促進が求められている。本研究では,非平衡・不均一な場において熱・物質移動が促進されることを実証した。特に,温度分布を伴う円筒系テイラー渦流において,安定したテイラー渦流が形成される領域よりも低レイノルズ数域の方が,平均ヌッセルト数が大きくなることがわかった。これはテイラー渦流と熱対流の相互作用によるものであるが,非平衡・不均場では低レイノルズ数,すなわち,機械的なエネルギー投入(ここでは内円筒の回転)を抑えた状態で熱・物質移動強化が可能であることを示した先進的な成果であり,省エネルギーに向けた新規技術への転換が期待できる。
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