研究課題/領域番号 |
21K14459
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分27030:触媒プロセスおよび資源化学プロセス関連
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研究機関 | 北海道大学 (2022) 東北大学 (2021) |
研究代表者 |
大須賀 遼太 北海道大学, 触媒科学研究所, 助教 (30874250)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | Zeolites / Spectorscopy / Acid-base pair sites / ゼオライト / 酸・塩基協奏型活性点 / Alペアサイト / 位置選択的脱Al処理 / 精密構造解析 |
研究開始時の研究の概要 |
ゼオライトの有する酸性水酸基と、アルカリ金属カチオンの導入により生成する格子酸素の塩基点を隣接させることで、「酸・塩基協奏型活性点」の創出を目指す。また、目的の活性点創出のため、活性点の性質や位置に関する情報を赤外(IR)、核磁気共鳴(NMR)などの種々の分光法を用いて解析し、得られた情報を合成検討へとフィードバックすることで、精密な活性点デザインを実現する。最終的には、触媒活性を評価することで、酸・塩基協奏作用が種々の触媒反応に及ぼす影響について明らかとする。
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研究成果の概要 |
Betaゼオライトに対して、硝酸コバルト水溶液中で脱Al処理を行うことで、Co2+種が配位した骨格内Al種(Alペアサイト)が保護され、孤立Al種が選択的に減少していくことを見出した。Alペアサイトを豊富に有するBetaゼオライトにCs+イオン交換を施すことで、酸・塩基ペアな活性サイトが創出できることが示唆された。また、CHA型ゼオライトを合成する際に、種結晶を含む合成ゲルを室温でエージングした後に水熱処理を施すことで、ハイシリカなCHA型ゼオライトの合成に成功した。このようにして得られたCHA型ゼオライトはMTO反応に対して長寿命な触媒であることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ゼオライト触媒において、骨格内Al種の量や位置は活性を支配する重要な因子の1つである。本研究では、比較的簡便なポスト処理で位置選択的に骨格内Al種を取り除くことができた。ゼオライトは実際の工業プロセスでも幅広く用いられているため、本手法が汎用的な手法となれば、学術的には勿論のこと工業的にも大きな意義があると言える。また、これまで合成例がなかったAl量のCHA型ゼオライトの合成手法を確立することができた。CHA型ゼオライトは、様々な反応に対してユニークな形状選択性を発現するため、今回合成したハイシリカなCHA型ゼオライトの触媒活性を詳細に検討することで、新たな触媒反応系が発見される可能性がある。
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