研究課題/領域番号 |
21K14461
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分27030:触媒プロセスおよび資源化学プロセス関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤墳 大裕 京都大学, 工学研究科, 助教 (90757105)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 炭素担持金属触媒 / キシリトール / 水素化 / キシロース / キシロビオース / 炭素担持銅触媒 / イオン交換樹脂 / キシロオリゴ糖 / 水素化反応 / 部分酸化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,バイオマス由来の低分子化ヘミセルロースから高付加価値な化学製品であるキシリトールを効率的に合成するための触媒反応系を開発する.一般的にキシリトールはキシロースの水素化反応により得られるのに対し,バイオマスの主要な構成成分であるヘミセルロースの低分子化処理で得られるキシロースを含む混合物を分離せず,直接原料に用いたキシリトール合成を目指す.キシロースのキシリトールへの転換に有効な炭素担持金属触媒に,低分子化ヘミセルロースをキシロースに転換するための固体酸点を低温酸化処理により付与する.酸化速度に基づき固体酸点量をコントロールし,効率的なキシリトール合成を実現する.
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研究成果の概要 |
本研究はキシロースやその二~三量体の混合物である低分子化ヘミセルロース原料からキシリトールの高選択転換を目的とする.まずは、キシロース原料から高選択的にキシリトールを合成可能な触媒開発を行った.弱酸性陽イオン交換樹脂を前駆体とした炭素担持Cu触媒(Cu@C)が高いキシリトール選択性および熱安定性を持つことを明らかとした.Cu@C触媒を用いキシロビオース(キシロース二量体)からのキシリトール合成を実施した結果、加水分解により生成したキシロースの水素化反応が選択的に進行し、キシリトールのみが得られた.加水分解速度の向上が低分子化ヘミセルロースからのキシリトール合成に重要という知見を得た.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,イオン交換樹脂を前駆体に用いた触媒調製法により銅を微粒子状態で炭素担体に包接した触媒により低水素圧下で優れたキシリトール選択性かつ熱安定性を実現した.従来の触媒調製法では,金属を炭素担体等の不活性担体に強固に固定化することが困難であったが,本成果は新たな炭素担持金属触媒調製法の提案と炭素担持金属触媒を用いた高選択的な反応系の開拓につながると考える.また,混合物原料からの反応に関する知見を今後増やしていくことで,複雑な反応系の理解といった学術的な意義に加え,分離精製コストの高いバイオマス利用の実用化という社会的な意義を持つ.
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