研究課題/領域番号 |
21K14482
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分28020:ナノ構造物理関連
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
青木 英恵 東北大学, 工学研究科, 講師 (60733920)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
|
キーワード | ナノ複相膜 / 磁性ナノ粒子 / トンネル磁気抵抗効果 / トンネル磁気誘電効果 / 形状磁気異方性 / ナノグラニュラー薄膜 |
研究開始時の研究の概要 |
電子デバイスには、直流あるいは交流動作の素子がそれぞれ別々に近接して使用されており、消費電力の増加やノイズ干渉の原因となっている。もし直流-交流動作をハイブリッドする素子があれば、電子デバイスの低電力化・低ノイズ・高密度化が期待できる。 磁性ナノ粒子がセラミクス中に分散したナノグラニュラー薄膜は、直流動作のトンネル磁気抵抗効果が発現することで知られるが、最近、新しく交流動作のトンネル磁気誘電効果が発現することも見出された。本研究では、従来のナノグラニュラー膜ではバラつきがあるナノ粒子を膜の縦と横に異なる間隔で配列し、縦に交流、横に直流の独立したトンネル効果の同時発現に挑戦する。
|
研究成果の概要 |
本研究では、直流-交流動作ハイブリッド型トンネリング薄膜材料を実現することを目的として、膜の面内方向に密に粒子が配列する「横粒子層状膜」ならびに膜の面直方向に密に粒子が配列する「縦粒子柱状膜」を作製し、直流-交流トンネル効果の評価および発現機構の解明を行った。横粒子層状膜は、面直粒子間隔を0.3-2.1nmまで制御できるが、面内粒子間隔は0.5-1.0nmの範囲であることから、構造制御により面内面直どちらも粒子間隔の小さい(大きい)状態を実現でき、縦横に柔軟性のある直流―交流ハイブリッドトンネリング膜の創製に有効であることが示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
複数の異なる電流・電圧が制御可能なナノスケール構造体の開発は集積化への可能性から注目を集めている。本研究では、自己組織化するナノ複相膜において磁性金属粒子を数nmオーダーで配列させることに成功し、横に直流、縦に交流の異なるトンネル電子が寄与することを見出した。磁界依存するトンネル電子を媒体とすることで、縦横の誘電率および電気比抵抗をそれぞれ4%程度、磁界で制御可能なことを見出した。また、磁気的孤立を保ったまま、粒子形状を扁平・扁長にすることで、長軸方向に磁気異方性を付与できる形状磁気異方性の効果も実証した。
|