研究課題/領域番号 |
21K14485
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分28020:ナノ構造物理関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
米田 淳 東京工業大学, 超スマート社会卓越教育院, 特任准教授 (60734366)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 量子ビット / 量子ドット / 単一スピン / トンネル効果 |
研究開始時の研究の概要 |
量子コンピュータを実装する固体デバイスとして、シリコン量子ドットは、とりわけ集積回路技術との親和性の観点から有力視されており、量子ビットに要求される長いコヒーレンス時間、高い操作精度、量子非破壊測定などが実証されている。本研究では、シリコン量子ドット中のトンネル過程におけるスピンコヒーレンスの喪失機構を解明し、スピンの量子状態がよく保存されるための条件を明らかにする。これにより、スピン量子ビットを量子状態ごと正確に量子ドット間トンネルさせる技術の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究課題では、量子コンピュータへの応用が期待されるシリコンスピン量子ビットを、位相コヒーレントにトンネル輸送する研究に取り組んだ。トンネル結合を大きく調整することで非断熱トンネルの影響を抑制し、高忠実度での位相コヒーレントなトンネルが可能であることを実証した。さらに、トンネル領域における電子スピンの位相コヒーレンスの理解、トンネル結合の雑音スペクトル推定、電荷雑音源を特徴づける活性化エネルギーの評価など、シリコン電子スピンの位相コヒーレントなトンネル輸送技術の確立に資する成果を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
シリコンスピン量子ビットは、制御性と量子コヒーレンスに優れ、集積回路技術と親和性が高いことから、量子コンピュータへの応用が期待されている。本研究課題では、位相コヒーレンスを保ったままこの量子ビットをトンネル輸送する技術の確立と、シリコン量子コンピュータにおける将来的な活用につながる成果を得た。このようなトンネル輸送技術の活用によって、シリコン量子アーキテクチャの結合性や設計自由度の大幅な向上が見込まれ、将来的なシリコン量子ビットの集積化に革新をもたらす技術となりうる。
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