研究課題/領域番号 |
21K14491
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分28030:ナノ材料科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
渡部 花奈子 東北大学, 工学研究科, 助教 (30847249)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 触媒システム / ナノ粒子 / 中空粒子 / 触媒 / マイクロリアクター |
研究開始時の研究の概要 |
数百ナノメートルの中空シリカ球に格納した触媒ナノ粒子の拡散性を外部交流電場により操作し、能動的なミキシングが可能な触媒システムの開発を目指す。触媒ナノ粒子そのものの能動的ミキシング効果を利用すれば、ナノ空間で反応物質の拡散を誘導することが可能であり、触媒反応効率の向上が見込まれる。
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研究実績の概要 |
令和5年度は、1) 触媒ナノ粒子を内包した中空シリカ粒子の合成を検討し、2) 同粒子を充填可能な流通式反応器の設計に向け、リアクター内部の局所圧力を数値計算により予測する手法を確立した。 1) 触媒ナノ粒子(銀または金ナノ粒子)を内包した中空シリカ粒子の合成プロセスを検討した。ナノ粒子を担持したポリマー微粒子を多孔質シリカシェルで被覆した後に、熱処理によりポリマー微粒子のみを熱分解させることで目的の粒子を合成した。本手法では、シリカシェルの厚みや細孔径を制御可能であることも確認した。有機色素分解反応を例に、生成粒子の触媒活性を評価したところ、反応物がシリカシェルで隔たれる本粒子形態においてもナノ粒子の活性は維持されることがわかった。反応効率にシェルの厚みや細孔径が影響することも示唆されたことから、中空粒子に内包したナノ粒子の触媒活性には中空シェルの物質透過性が寄与していることを明らかにした。 2) 本研究では、合成した触媒ナノ粒子内包型中空シリカ粒子を流通系反応に適用することを目標とした。しかしながら、粒子を充填した粒子充填型の反応器は一般的に、圧力損失が大きいことが課題として指摘されている。そこで、触媒ナノ粒子内包型中空粒子を充填した流通式反応器の設計のために、有限要素法により反応器内部の局所圧力を予測する方法を検討した。その結果、粒子サイズの不均一性が圧力損失増大に寄与するが示され、省エネルギーな触媒システムの開発に向けては、粒径が均一な中空粒子を合成することも重要な要素であることを明らかにした。
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