研究課題/領域番号 |
21K14497
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分28030:ナノ材料科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
鈴木 弘朗 岡山大学, 自然科学学域, 助教 (20880553)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 原子層半導体 / 遷移金属ダイカルコゲナイド / ナノリボン / ナノワイヤ / 化学気相成長 / 自己制限成長 / フォトルミネッセンス / 電界効果トランジスタ / 遷移金属カルコゲナイド / 化学気相成長法 / 光電子物性 / 一次元ナノ構造 / 光電子デバイス |
研究開始時の研究の概要 |
機械的柔軟性に加え,優れた光学特性と半導体特性を併せ持った原子層物質材料である遷移金属ダイカルコゲナイド(TMDC)は,新しい光操作自由度(円偏光吸収・発光など)をもった光電子デバイスへの応用が期待されている.通常2次元シート構造をもつTMDCが1次元構造になることによって,「量子サイズ効果による光電子特性(発光・光吸収効率,光電変換効率)の向上」,「1次元閉じ込めによる新規物性開拓」の可能性がある.本研究では,領域温度を精密制御した化学気相成長法による,1次元構造をもつTMDCの高収率合成と,発光分光や電気伝導の調査による光電子物性解明を目的に研究を行う.
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研究成果の概要 |
本研究では,一次元の遷移金属ダイカルコゲナイド(TMDC)を高収率合成と,光電子物性の解明を目的に研究を行った.結晶構造解析により,酸化タングステンナノワイヤの上に単層のWS2ナノリボンが成長していることを明らかにした.この単層選択的な成長メカニズムを"自己制限成長"というモデルで説明した.粒子化プロセスの導入によって収率を向上した.単層WS2ナノリボンの発光特性にエッジの効果や一次元的性質を見出した.さらに,ナノワイヤからナノリボンを機械剥離によって単離した.単離したWS2ナノリボンの結晶構造,発光特性,および電気特性を調査した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
TMDCナノリボンの合成は国内外で未だ報告例が少ない.特に,単層を選択的に合成できる手法は限られている.本研究では,発光特性とFET特性を持ち合わせるWS2ナノリボンの合成に世界で初めて成功した.本成果により今後,TMDCナノリボンを用いたナノスケールデバイス応用などへの展開が期待される.また,TMDCナノリボンを合成可能になったことで,二次元半導体のナノ構造の物性が開拓できる.酸化物ナノワイヤをテンプレートとしTMDCナノリボンを合成する本手法は,ナノリボン物質を合成するための新しいアプローチとして他材料系にも波状していくことが期待される.
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