研究課題/領域番号 |
21K14507
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分28040:ナノバイオサイエンス関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
今井 洋輔 九州大学, 基幹教育院, 助教 (90738816)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 水溶液表面 / 多価対イオン / 水和 / ソフト界面の曲率 / 対イオン結合度 / 水和構造 / 表面張力測定 / 界面単分子膜 / カルシウム対イオン / 界面での水和構造 / 対イオン結合 / 界面イオン水和 / 吸着膜とミセル / イオン水和 / 界面曲率 |
研究開始時の研究の概要 |
この研究の目的は、界面活性物質がつくる界面吸着膜やミセル、2分子膜ベシクルなどの曲率の異なる分子集合体への対イオン結合の分子メカニズムを明らかにすることである。カルシウムやカリウム等の電荷の異なる対イオンを対象に、X線吸収微細構造測定や分子動力学計算などを基に、対イオンの水和を評価し、水和構造と界面曲率が対イオン結合に及ぼす効果について調べる。得られる成果は、Å~μmの多様な空間領域において、界面曲率と電荷の異なる競合イオンが協同的に働き維持されている細胞膜機能(イオンチャネルや膜の曲率制御)の発現機構に関して、基礎的な知見を与えることが期待される。
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研究成果の概要 |
この研究の目的は、界面活性物質が形成する曲率の異なる分子集合体への対イオン結合の分子メカニズム解明である。オクチルベンゼンスルホン酸吸着膜(平面)およびミセル(球面)を対象に、2価対カチオンCa(2+)とスルホ基(SO3-)間の結合や相互作用について、Caを標的とした全反射、透過、蛍光XAFSの水和構造解析より調査した。吸着膜、ミセル表面およびバルク溶液中のCa(2+)で、XAFSスペクトルの形状に有意な差はなく、ミセル表面や吸着膜でのCaイオンの水和構造は、バルク溶液中での完全水和のものと類似の構造であることが明らかとなった。対イオン結合のCollins則などの先行理論の検証が期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
界面の官能基と相互作用するCaなどの軽元素の多価イオンの水和構造については、配位数や配位距離などの構造パラメーターを実験的に定量した実験データがこれまでに報告されておらず、その方法論を確立した点に本申請課題の学術的意義がある。脂質細胞膜やDNAやたんぱく質などに対するCaイオンの効果など、生体分子へのイオン効果について、水和レベルから分子メカニズムを明らかにする応用研究の進展が期待される。
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