研究課題/領域番号 |
21K14508
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分28040:ナノバイオサイエンス関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
于 躍 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究員 (90881631)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
|
キーワード | cancer / nanoparticle / phototherapy / calcium ion / Wnt signaling / cell signaling / nanomedicine |
研究開始時の研究の概要 |
抗がん剤の標的を持たないトリプルネガティブ乳癌(TNBC)は、悪性度が高く容易に転移し、治療に難渋することが多い。本研究は、癌細胞の活動に必須のシグナルを、光活性化可能なナノ粒子を用いてコントロールし、TNBCの増殖・転移を抑制する新たな治療法の開発を目標としている。
|
研究成果の概要 |
3つの共通薬物標的を持たないトリプルネガティブ乳がん(TNBC)には、ほとんどの抗がん剤が有効ではない。2022年度は新しい高分子材料である共有結合性有機フレームワーク(COF)の合理的設計と修飾に基づき、光応答性ナノ粒子を開発した。COFナノ粒子は、Transient receptor potential vanilloid 1(TRPV1)チャンネルを光熱的に活性化することで細胞内のCa2+流入を促進し、結果としてTNBCの生存に不可欠なWntシグナル伝達経路を阻害することができることを明らかとした。この結果は、COFナノ粒子がTNBC治療のための新規薬剤としての有用性を示す。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、光活性化COFナノ粒子を用いたTNBCに対する新しい方向性を提供するものである。生体毒性を有する化学薬品を使用する現行の治療法とは異なり、開発したCOFナノ粒子は、制御可能な方法でがんを治療する安全で効果的な方法を提供する。この新しい戦略は、TNBCを治療するための新しい技術を提案するだけでなく、ナノバイオ医薬品に関する新しい洞察をもたらし、様々な形態の癌に対する改良型ナノメディカルの将来の開発の指針となる可能性がある。
|