研究課題/領域番号 |
21K14517
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分28050:ナノマイクロシステム関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
森 宣仁 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (70806215)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
|
キーワード | 灌流 / MPS / 腫瘍 / Organ-on-chip / 腫瘍血管 / がん / organs-on-chip / 血管 / 転移 / organ-on-chip |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、がんの転移過程を再現可能な3次元組織灌流システムを開発し、その有用性を実証することを目的としている。開発済みの灌流可能な血管付き3次元組織に新たにがん細胞を導入する(原発組織)。さらにこの原発組織に、転移先となる3次元組織を接続する(転移組織)。これにより体外におけるがん転移過程の再現(増殖・浸潤、血管への侵入、別臓器への転移等)を目指す。
|
研究成果の概要 |
がんは本邦における死因の27%強を占める最大の要因である。がんは腫瘍血管と呼ばれる毛細血管を誘導し、栄養を得て増殖し、周囲の組織に浸潤し、最終的には腫瘍血管を通じて他の臓器へと遠隔転移する。がんによる死亡の約90%が転移によると言われている。このため、がんの転移過程の解明と、転移過程をターゲットとした抗がん剤開発が喫緊の課題であり、転移過程の解明及び抗がん剤開発を推進するためのモデルが求められている。本研究では血管付きの3次元がん組織の開発に取り組み、血管新生、浸潤、血管外侵入等のがんの転移において重要な現象の再現に成功した。また抗がん剤やT細胞免疫療法の評価への利用可能性を示した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では血管を有する人工的ながんを作製した。このシステムは、転移過程のシミュレーションなどがん研究に利用可能であるだけでなく、抗がん剤の評価にも利用可能であると期待できる。特に血管を有する特徴から近年重要性の増しているT細胞免疫療法(CAR-T等)の評価試験に適していると考えられる。このように、本研究の成果はがんの基礎研究から抗がん剤の開発まで、さまざまな応用先がある。
|