研究課題/領域番号 |
21K14524
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分29010:応用物性関連
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
荒井 慧悟 東京工業大学, 工学院, 准教授 (10786792)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
中途終了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | ダイヤモンド / 量子センシング / 窒素・空孔欠陥 / イメージング / 高温高圧 / 極限環境 |
研究開始時の研究の概要 |
地球科学では高温高圧環境が欠かせない。高温高圧を実現する装置としてダイヤモンド・アンヴィル・セル(DAC)がある。ところが、DAC内部の温度・圧力をイメージングできるセンサが存在せず、マントル組成や地殻の磁気モーメント含有量をより精緻に特定することは困難だ。本研究は、高感度・高空間分解能の圧力・温度センサとして~1000K,~100GPa下で動作するダイヤモンド中の窒素・空孔欠陥を用いて、DAC内の温度・圧力をナノスケールの空間分解能で計測する手法の確立を目指す。さらには、この新たな高圧プローブを地球科学の問いに応用し、世界最高感度や最高解像度の更新も狙う。
|
研究成果の概要 |
本研究では、地球科学への応用に資する高温高圧ナノスケール量子センサの開発を目指した。量子センサとしては、ダイヤモンド中の窒素・空孔欠陥(NVセンター)を活用し、圧力はX線回折と組み合わせて較正した。成果として、まず、当初の目標には及ばないものの、数十GPa、200℃での計測を実証することができた。また、高圧において圧力および磁場イメージングを行い、圧力の空間的分布や鉄の磁性消失を示唆する結果を得た。今後は、高温高圧下での地殻の組成を再現した鉱物試料の磁化分布を計測することで、地殻の磁気モーメントが地表での世界各地の地磁気異常にどの程度寄与しているか、といった地球科学の未解決問題に挑戦したい。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
地球内部の研究には高温高圧環境が欠かせない。そのような高温高圧を実現する装置としてダイヤモンドアンビルセル(DAC)がある。ところが現状では、DAC内部の温度・圧力を高感度・高空間分解能でイメージングできるセンサが存在しないため、例えばマントル組成や地殻の磁気モーメント含有量をより精緻に特定することなどは困難である。本研究では、~1,000 K、~100 GPa下でも動作すると期待されるダイヤモンド量子センシング技術の高温高圧実証を目指した。これまでの成果で、その有用性を見出すに至ったため、今後は信号対雑音比や安定性に関する技術課題を解決しつつ、地球科学の未解決問題に資するセンサに昇華したい。
|