研究課題/領域番号 |
21K14527
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分29010:応用物性関連
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
宇佐美 雄生 九州工業大学, 大学院生命体工学研究科, 助教 (60878437)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | リザバー演算 / 導電性ポリマー / マテリアルリザバー / イオン伝導 / 音声分類 / 電気化学演算素子 / カーボンナノチューブ / データ拡張 / 物理リザバー / 導電性高分子 / 音声認識 / リザバーコンピューティング / マテリアル知能 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、脳神経回路の仕組みを模倣して学習や認識を行う人工知能(AI)が大きく注目されているものの、既存のデバイス素子開発では神経細胞外液内の化学イオンポテンシャルの揺らぎを駆動力とする実際の脳とは乖離した動作原理、構造となっている。本研究では、大気環境に存在するプロトンの注入によって電荷移動が活性化するナノマテリアル素子を実証し、電気化学的制御により演算機能の抽出を行うことで、外部環境の状態を演算処理に取り入れ、真に脳の動作原理を模倣した柔軟で高度な情報処理を実現する。
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研究成果の概要 |
本研究では、大気環境中のナノマテリアルの電荷移動の活性化の起源を解明し、電気化学的な制御によって演算素子としての機能抽出を行うことを目的として、ポリアニリンの湿度環境の制御を行うことで、リザバー演算がプロトン注入によって駆動する素子の作製を呼び性能評価を行った。湿度の上昇に伴い電気特性が劇的に変化し、酸化還元に由来する強い非線形性かつ負性微分抵抗ピークを持つようなI-V特性が得られ、湿潤環境下でイオン伝導性を有し、湿度変化に敏感に応答することがわかった。リザバー演算の模擬実験の結果、90%の精度で波形生成を行うことができ、0-9の10種の数字音声を70%程度の正解率で分類成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の意義は、有機分子ネットワークの電気化学反応を用いて大気化で駆動させ情報処理を実現したことである。生体脳においても、神経回路で有機分子のネットワークが形成されており、電気化学反応を用いて信号伝達が行われている。そのため本研究成果によって、低消費電力かつ外部刺激を駆動力として機能する脳を真に模倣した次世代デバイスの創製およびAIシステムへの実装が期待される。
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