研究課題/領域番号 |
21K14528
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分29010:応用物性関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
石原 淳 東京理科大学, 理学部第一部応用物理学科, 講師 (50801156)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 電子スピン / スピン軌道相互作用 / スピンテクスチャ / ベクトル光渦 / 半導体量子構造 / 全光操作 / 軌道運動 / 光操作 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、半導体中の電子スピンをラゲールガウスビームを用いて全光操作する。スピン軌道有効磁場によるスピン局所操作は移動距離と経路に依存するため、どれだけ小さい分解能で自在に経路制御ができるかがスピン操作の要となる。そこで、ラゲールガウスビームの有する軌道角運動量を用いて光励起した電子スピンを軌道運動させることで、スピンの局所領域全光操作を実証する。光の回折限界オーダーの局所スピン操作を可能にするだけでなく、「光」という共通ツールでスピンの生成・操作・検出が可能なシームレスな全光型スピンデバイスの創成につながる。
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研究成果の概要 |
化合物半導体量子構造では2つのスピン軌道相互作用のバランスによって光励起スピンはさまざまな空間構造をとる。バンド間吸収の起きないCWレーザー光を制御光としてGaAs/AlGaAs単一量子井戸に照射した結果、ラシュバスピン軌道相互作用が増加し、スピン空間分布が変調されることが分かった。また、軌道角運動量に起因して方位角依存の偏光周期構造を持つベクトル光渦でスピンを励起すると、円周上にスピン状態が周期的に繰り返される空間構造が生成されることを観測した。スピン空間構造のひねりの数がベクトル光渦のトポロジカル数によって決まる数と同じことから、偏光周期構造がスピン構造として移されることが実証された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
非磁性体中では非保存量である電子スピンも、2つのスピン軌道相互作用を利用した永久スピン旋回状態では長寿命状態になる。この時、スピン状態はストライプ状の特異なスピンテクスチャを描く。本研究で示したスピンテクスチャの光制御やベクトル光渦を用いたスピンテクスチャの直接励起は、スピン空間構造の生成、検出、制御の全てを光という共通ツールで実現可能にする。これらは光通信分野で発展した空間分割多重といった技術と同様にスピン空間情報を固体中で用いるために重要な知見となる。
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